

2026年8月6日
子どもが森で何かに挑戦しています。
大きな枝を運ぶ。
ひもを結ぶ。
木を組み合わせる。
坂道を上る。
友達と一緒に何かを作る。
途中で子どもが、
「できない」
「分からない」
「手伝ってほしい」
と言うことがあります。
大人は、ついこう返したくなります。
「できるよ」
「もう少し頑張ってみよう」
「ほら、こうすればいいよ」
励ますことも、やり方を教えることも大切です。
しかし、「できない」という言葉を、すぐに消してしまわないことも必要です。
子どもが自分の状態へ気づき、言葉にできた。
それは弱さではありません。
助けを求めるための、大切な一歩です。
子どもの「できない」には、さまざまな意味があります。
やり方が分からない。
力が足りない。
一人では難しい。
失敗するのが怖い。
どこから始めればよいか分からない。
少し休みたい。
大人が「できないと言わないの」と返してしまうと、子どもは本当に困った時にも言えなくなります。
無理に続ける。
分かったふりをする。
周囲の動きをまねる。
黙ったまま止まる。
それでは、森の中で自分を守ることができません。
まずは、
「何が難しいのかな」
「どこまでできた?」
「一人では難しそう?」
と聞きます。
「できない」の中にある理由を、一緒に見つけることが大切です。
自立というと、何でも一人でできることだと思われがちです。
しかし、すべてを一人でできる人はいません。
森では、大人でも仲間の力を借ります。
重い物を運ぶ。
危険を確認する。
分からないことを聞く。
一人では難しい作業を協力して行う。
自分にできることと、難しいことを判断する。
そして必要な時に、
「手伝ってください」
と言える。
それも自立です。
助けを求めることは、誰かへ丸投げすることではありません。
自分の状態を理解し、必要な力を周囲へ伝えることです。
子どもが困っていると、大人はすぐ手を出したくなります。
枝を持ってあげる。
ひもを結んであげる。
正しい場所を教える。
完成するまで手伝う。
安全上、すぐ支える必要がある場面もあります。
しかし、危険がない場合は、少し待つことも大切です。
子どもが自分で考える。
もう一度試す。
友達を見る。
助けを求める言葉を探す。
その時間を残します。
大人がすべて先回りすると、子どもは「困ったら誰かがやってくれる」と考えるようになるかもしれません。
手伝う前に、子どもが何を求めているのかを聞く。
これが見守りの基本です。
子どもから「手伝って」と言われても、大人が全部やってしまう必要はありません。
大きな枝なら、片方だけ持つ。
ひもなら、最初の結び方だけ見せる。
木を組むなら、倒れないように支える。
道順なら、最初の目印だけ伝える。
子どもが自分で続けられる部分を残します。
「ここを一緒にやろう」
「どの部分を手伝えばいい?」
「最初だけやってみようか」
と確認します。
助けることの目的は、早く完成させることではありません。
子どもが再び自分の力で動き出せるようにすることです。
森では、子ども同士で助け合える場面があります。
大きな枝を一緒に運ぶ。
作ったものを支えてもらう。
見つけた場所を教えてもらう。
分からないやり方を聞く。
大人へ頼むだけでなく、友達へ、
「一緒に持って」
「ここを押さえて」
「どうやったの?」
と言えることも大切です。
頼まれた子どもも、自分が役に立てた経験を得ます。
ただし、一方の子だけに負担が集中しないよう、大人は様子を見ます。
助けを求める力と、助けを受け止める力は、友達との関わりの中で育ちます。
大人は、子どもが完成させると褒めます。
「できたね」
「上手だね」
「最後まで頑張ったね」
もちろん、それもうれしい言葉です。
しかし、結果だけを褒めると、子どもは「できなければ価値がない」と感じることがあります。
そんな時は、
「難しいと伝えられたね」
「手伝ってほしいと言えたね」
「友達と一緒に方法を考えたね」
という過程も認めます。
完成しなかったとしても、
困っていることに気づいた。
言葉にした。
助けを求めた。
方法を変えた。
そこには大切な成長があります。
子どもは、森で「できない」と言ってもいいのです。
分からない。
一人では難しい。
力が足りない。
手伝ってほしい。
少し見ていたい。
自分の状態へ気づき、言葉にすることは、自分を守る力です。
大人は「できるよ」とすぐ打ち消さず、何が難しいのかを聞く。
先回りして全部やらず、子どもが必要としている部分を支える。
そして、再び自分で動ける余白を残します。
「できない」と言えることは、弱さではありません。
助けを求め、誰かと一緒に次の一歩を探すことも、子どもが成長していくための大切な力です。
「『できない』と言うと、諦めているように思われることがあります。
でも、自分には何が難しいのかに気づき、手伝ってほしいと伝えることも大切なんですね。
全部やってもらうのではなく、必要なところだけ助けてもらい、また自分で動き出す。
助けを求めることも、自立へつながる力なんだと思いました。」
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/