

2026年7月25日
令和8年度 埼玉県林業技術者育成研修
FORESTRY TRAINING REPORT|DAY 5
2026年7月25日(土)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day5を実施しました。
本日の研修名は、安全衛生知識です。
午前は労働災害防止対策、午後はチェーンソーと刈払機を中心とした労働災害事例について学びました。
研修生は、まだチェーンソーや刈払機の専門的な実技へ本格的に入っていません。
だからこそ今の段階で、まず知っておかなければならないことがあります。
それは、
何をしてはいけないのか。
どのような行動が事故につながるのか。
ということです。
技術を覚える前に、危険を知る。
それが、安全な林業技術者になるための第一歩です。
朝会では、スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」について話しました。
研修で技術を身につけるためには、ただ座って講義を聞くだけでは足りません。
自分から学ぶ。
自分の行動に責任を持つ。
目的を考える。
仲間と協力する。
こうした姿勢は、林業の現場でも欠かせないものです。
安全も、誰かに守ってもらうだけではありません。
自分で危険を考え、自分から安全な行動を選ぶことが求められます。
日直の進行で、恒例の朝の表情体操を行いました。
林業の現場では、仲間の顔色や声の調子から、その日の体調を感じ取ることがあります。
表情が硬い。
返事に元気がない。
いつもより動きが鈍い。
そうした小さな変化に気づくことも、安全管理の一つです。
朝から声を出し、表情を動かし、気持ちを研修へ切り替えました。
午前は、労働災害防止対策として、「あなたを守る知識」を使った講義を行いました。
林業は、全産業の中でも労働災害の危険が高い仕事です。
現場には、
など、さまざまな危険があります。
事故は突然起こるように見えます。
しかし、事故の前には多くの場合、
などの原因があります。
安全教育で大切なのは、「気をつけましょう」で終わらせないことです。
何が危険なのか。
なぜ危険なのか。
どうすれば防げるのか。
そこまで理解する必要があります。
午後は、具体的なチェーンソー事故について学びました。
資料には、斜面で足を滑らせて転倒し、回転中のソーチェーンへ手が接触した事例などが紹介されています。
事故の直接原因は、チェーンソーの刃です。
しかし、それ以前に、
といった行動が重なっています。
事故を防ぐには、チェーンソーを上手に使うだけでは足りません。
作業姿勢、足場、移動方法、保護具、機械の停止まで、すべてが安全につながります。
チェーンソーで特に注意しなければならない現象の一つが、キックバックです。
ガイドバー先端の上側が木や枝へ触れると、チェーンソー本体が作業者の方向へ急激に跳ね返ることがあります。
キックバックは、一瞬で起こります。
そのため、
といった基本が重要です。
「少しくらい大丈夫」という油断は通用しません。
キックバックは、チェーンソーだけの問題ではありません。
刈払機でも、刈刃の特定の部分が硬い木や障害物へ当たると、機械が強く跳ね返ることがあります。
刈払機では、
を確認する必要があります。
刈払機は見慣れた機械ですが、扱い方を誤れば重大事故につながります。
災害事例を学ぶとき、被災状況だけに注目してはいけません。
大切なのは、
なぜ、その行動をしてしまったのか。
という点です。
急いでいた。
慣れていた。
面倒だった。
大丈夫だと思った。
指導員が近くにいなかった。
正しい方法を知らなかった。
事故の多くは、こうした人間の判断と行動から始まります。
だからこそ、事故例を他人事として見てはいけません。
「自分なら同じ行動をしないか」
と考えることが必要です。
研修生は、まだ伐倒方法やチェーンソーの構造を詳しく学んでいません。
今日の災害事例には、分からない専門用語も多かったと思います。
それでも今は、
という基本を覚えてもらえれば十分です。
専門的な知識は、これから少しずつ学びます。
しかし、「やってはいけないこと」は、最初に覚える必要があります。
林業では、技術が高ければ事故を起こさないとは限りません。
むしろ、慣れや自信が油断につながることもあります。
安全に必要なのは、
という日々の行動です。
将来、研修生が現場で後輩を指導する立場になったとき、今日学んだ災害事例を自分の言葉で伝えられるようになってほしいと思います。
次回は7月26日(日)。
森林・林業の基礎として、森林の調査方法について学びます。
森で働く。未来を育てる。
そのために、まず自分と仲間の命を守る知識を身につけます。
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/