

2026年1月30日
『保持林業 ― 木を伐りながら生き物を守る』
林業は、木を伐る仕事です。
でも最近、私はよく考えます。
伐ることと、守ることは、本当に反対なのか。
その問いに、真正面から答えてくれる一冊に出会いました。
『保持林業 ― 木を伐りながら生き物を守る』。
今日はこの本の話をします。
昔の林業は、
皆伐して、植えて、育てる。
自然保護は、
伐らずに残す。
どこかでこの二択がありました。
でもこの本は言います。
森は、そんな単純ではない。
すべて伐れば、生き物は消える。
すべて残せば、人の暮らしが続かない。
だから「残しながら伐る」という第三の道を選ぶ。
それが保持林業です。
保持林業では、
・大径木
・古木
・枯れ木
・洞のある木
・広葉樹
・巣になる木
こうした「生き物の拠点」を意図的に残します。
木材としての価値ではなく、
森としての価値で木を選ぶ。
ここが、これまでの林業との決定的な違いです。
森を「資源」だけで見ない。
森を「生態系」として見る。
視点が一段上がります。
この本を読んでいて、正直ほっとしました。
林業=自然破壊
そんなレッテルを貼られることが多いですが、
本来の林業は、
森を整え、守り、次世代につなぐ仕事です。
保持林業は、その姿を理論として示してくれます。
伐ることは悪ではない。
無計画に伐ることが問題なだけ。
そうはっきり言ってくれる。
林業に関わる人間にとって、救われる一冊です。
これは学者の本ではありますが、
中身はとても現場的です。
・どの木を残すか
・どんな配置にするか
・どんな森を目指すか
判断の連続です。
つまり、
測り、考え、選ぶ林業。
昨日書いた「測る道具」の話ともつながります。
林業はもう、
「全部切る仕事」ではありません。
「何を残すか決める仕事」になっています。
私は、こういう林業が好きです。
全部伐らない。
全部守らない。
考えて、迷って、選ぶ。
人の判断が入る余地がある林業。
それはきっと、
森にも、人にも、やさしい。
『保持林業 ― 木を伐りながら生き物を守る』
林業に関わる人ほど、読んでほしい一冊です。
note更新のお知らせ(1月28日更新)
彩ちゃんの安全物語 第21話が公開されました。
『その判断、誰のため?』
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