

2026年1月28日
テーマ:身体を守る道具 ―
道具は「切るため」より先に「生きて帰るため」にある
林業の道具というと、まず思い浮かぶのはチェーンソーや重機かもしれません。
でも、現場に長くいるほど、最初に頭に浮かぶ道具は変わってきます。
それは、「切る道具」ではなく、「守る道具」です。
現場に入るとき、最初にやることは何か。
エンジンをかける前に、刃に触る前に、まず装備を整える。
これは準備ではなく、すでに仕事の一部です。
装備をいい加減にする現場ほど、技術の話をしたがります。
でも本当は逆で、装備を大事にする現場ほど、無理をしません。
安全装備は「もしもの時の保険」だと思われがちです。
私はそうは思っていません。
安全具は、身体の使い方を制御する技術です。
装備を付けることで、人は無意識に動き方を変えます。
つまり、安全具は「事故の後始末」ではなく、「事故を起こさない動き」を作る道具です。
私は現場に入ると、まず道具より先に装備を見ます。
新しいか古いかではありません。
そこに、その現場の「人の扱い方」が出ます。
装備が軽い現場は、人の扱いも軽くなりがちです。
逆に、装備に厳しい現場は、仕事にも判断にも、必ず一拍あります。
林業は、木を切る仕事ではありません。
人が、森から戻ってくる仕事です。
その一日があって、次の管理があり、次の更新があり、次の世代があります。
だから私は、林業の最初の道具は何かと聞かれたら、
チェーンソーではなく、ヘルメットだと答えます。
400回書いてきて、あらためてはっきりしています。
道具は、仕事を進めるためのものではなく、仕事を続けるためのものです。
そして、その最初に来るのは、いつも「守る道具」です。
林業の魅力シリーズの401回目は、そこから置いておきます。
note更新のお知らせ(1月28日更新)
彩ちゃんの安全物語 第21話が公開されました。
『その判断、誰のため?』
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/