

2026年1月29日
「測るという道具 ― 林業は“感覚”から“判断”へ」
木曜日はフリートーク。
今日は少し、現場でよく思うことを書きます。
林業は「勘の仕事」だと言われてきました。
木を見て、風を見て、音を聞いて、感覚で判断する。
それは今でも大切です。
でも同時に、私はこうも思っています。
感覚だけでやる林業は、もう続かない。
現場で測るものはいろいろあります。
・木の太さ
・高さ
・傾き
・距離
・含水率
・傾斜
測る前、人はだいたい「このくらいだろう」と思っています。
そして実際に測ると、
だいたいズレています。
このズレが、とても大事です。
測ると、自分の感覚が絶対ではないと分かる。
測ると、「確認する」という動作が入る。
測ると、現場に一拍、間が生まれる。
この一拍が、事故を減らします。
測定器は便利だから使うのではありません。
止まるために使います。
・一度止まる
・一度確かめる
・一度考える
林業の事故は、
「分からなかった」より
「分かったつもりだった」から起きます。
測る道具は、
その“つもり”を壊す道具です。
私は、数字で林業をやれと言いたいわけではありません。
最終的に決めるのは、いつも人です。
でも数字は、
・思い込みを外し
・経験を裏付け
・無理を止め
・他人と共有できる
判断の補助輪になります。
感覚だけの林業は、
属人化します。
測る林業は、
引き継げる林業になります。
現場に測る道具が多いと、
その現場はだいたい落ち着いています。
逆に、何も測らず、
「見れば分かる」で進む現場ほど、
空気が荒れます。
測るという行為は、
人を落ち着かせる文化です。
そしてそれは、
安全文化でもあります。
私は、測る道具が好きです。
正確だからではありません。
便利だからでもありません。
人を謙虚にするからです。
林業は、自然相手の仕事です。
自然の前では、分かったつもりが一番危ない。
だから私は今日も測ります。
木を測りながら、
同時に、自分の判断も測っています。
note更新のお知らせ(1月28日更新)
彩ちゃんの安全物語 第21話が公開されました。
『その判断、誰のため?』
※フォレストカレッジホームページ
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