

2026年10月10日
令和8年度 埼玉県林業技術者育成研修|チェーンソー
FORESTRY TRAINING REPORT|DAY 23
2026年10月10日(土)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day23を実施しました。
本日の参加者は5名。
今日から、いよいよ伐木造材作業の実習が始まりました。
これまでの研修では、チェーンソーの構造を学び、分解し、清掃し、組付けにも取り組んできました。
今度は、そのチェーンソーを使って、実際に木を切る技術を磨いていきます。
今日の課題は、玉切りと目立て。
一見すると、どちらも基本的な作業です。
しかし、基本だから簡単というわけではありません。
まっすぐ切る。
切断方向を修正する。
カッターを正しい形に研ぐ。
その一つひとつが、想像以上に奥深い技術なのです。
人前に立ち、仲間の前で動きを示す。
最初の頃は緊張していた研修生たちも、少しずつ自然に取り組めるようになってきました。
林業では、技術だけでなく、自分の考えを伝える力や仲間と意思疎通を図る力も必要です。
朝の数分間も、大切な研修の一部です。
そして今日は、いよいよ屋外へ。
チェーンソーの出番です。
今日から本格的に取り組む伐木造材作業。
まずは、玉切りの基本をしっかり身につけます。
木を切断するだけなら、チェーンソーを使えばできます。
しかし、狙った位置を、狙った角度で、正確に切断することは簡単ではありません。
丸太をまっすぐ切っているつもりでも、切り進めるうちにガイドバーが傾いてしまうことがあります。
そこで今回は、感覚だけに頼らず、水準器を使って確認しながら練習しました。
「まっすぐ切ったつもり」と「実際にまっすぐ切れている」は違う。
その違いを自分の目で確かめることから始めます。

今回の玉切り実習では、研修生一人につき3枚ずつ切断しました。
課題は、単に3枚を切ることではありません。
切断中のガイドバーの姿勢を意識し、できるだけ正確な切断面をつくることです。
水準器を使ってガイドバーの傾きを確認し、切断する方向を意識します。
しかし、実際に木を切り始めると、思ったようにはいきません。
最初は正しい角度でも、途中から少しずつ傾いてしまう。
それに気づいて修正しようとしても、なかなか思った方向へ戻せない。
そんな場面が繰り返されました。

自分ではまっすぐ切っているつもりでも、実際には左右や前後に傾いていることがあります。
作業している本人には、その傾きがなかなか分かりません。
そこで、横からガイドバーの動きを観察し、必要な修正を伝えます。
今回、特に難しかったのが切断途中で角度を修正することでした。
一度傾いた切断方向を、そのまま切り進めながら修正するのは簡単ではありません。
だからこそ、自分がどちらへ傾けやすいのか、どのような癖があるのかを知る必要があります。
大切なのは、最初から完璧にできることではありません。
自分の癖を見つけ、次の切断で修正すること。
安全を確保しながら姿勢と切断方向を見直し、その変化を確認していきます。
見た目だけで判断せず、水準器を使って実際の傾きを確かめます。
「今回はまっすぐ切れたと思ったのに、少し傾いていた」
反対に、
「途中で修正したら、さっきより良くなった」
そんな発見が、次の一本につながっていきます。
今回の研修で最も意識してほしかったのは、
まっすぐ切ろうとする意識を持つこと。
何となく切るのではなく、狙った方向へ正確に切る。
そして、結果を確認して自分の癖を知る。
正確さは、意識と確認の積み重ねから生まれます。
今日から、自分たちが使用するチェーンソーは、基本的に自分たちで整備していきます。
そこで重要になるのが、ソーチェーンの目立てです。
チェーンソーは、エンジンの力だけで切れるわけではありません。
切れ味を決めるのは、カッターの状態です。
今回は、ヤスリホルダーとホルダーガイドを使い、カッターの形状と角度を確認しながら研ぎました。
特に注意したのが、フック型やバックスロープ型にならないこと。
カッターの角度や刃の形が適正でなければ、本来の切削性能を発揮できません。
また、各カッターの長さや形をそろえることも重要です。
一つだけ上手に研げても、それで終わりではありません。
すべてのカッターを、できるだけ同じ状態に整えていきます。
目立てで難しいのは、正しく研げているかを自分で判断することです。
そこで今回は、カッターの所定の部分にマーカーを塗り、ヤスリを当てた後の状態を確認しました。
印の落ち方を見ることで、ヤスリがどこに当たっているのかが分かります。
自分では正しい角度で研いでいるつもりでも、実際には当たり方が違っていることがあります。
こうして目で確認すると、自分の癖にも気づきやすくなります。
そして、目立てについて昔から伝えている言葉があります。
「泣くほど研げば、笑うほど切れる」
まさに、そのとおりです。
目立てに手を抜けば、玉切りのときに苦労します。
反対に、正しく目立てされたチェーンソーは、無理な力を加えずに切り進めやすくなります。
目立ては単なる整備ではありません。
安全で正確な作業を支える、林業技術者の基本技術です。
今日の実習では、玉切りと目立てに取り組みました。
どちらもチェーンソーを使ううえで欠かせない技術です。
切断方向が傾いたら、なぜ傾いたのかを考える。
思ったように修正できなければ、自分の癖を見直す。
目立てがうまくできなければ、カッターの形とヤスリの当たり方を確認する。
一度でできるようになる必要はありません。
しかし、できなかった理由を考えずに繰り返しても、上達にはつながりません。
切って、確認する。
研いで、確認する。
そして、次の作業で修正する。
この積み重ねが、確かな技術を育てていきます。
次回10月11日(日)、Day24も引き続き伐木造材作業実技です。
今日つかんだ感覚を、次の実習へつなげていきます。
ここからは、本編とは少し違った話題です。
本日、記念すべき**第1回レクレーション大会「ブレーキ掛け解除大会」**を開催しました。
名前だけ聞くと、何だか楽しそうな大会です。
しかし、実際にやってみると、これがなかなか大変なのです。
目標は、
30秒間で30回!
チェーンブレーキの掛け・解除を繰り返し、操作に慣れるための練習です。
これは単なる遊びではありません。
チェーンソーのキックバックは、重大な事故につながる危険があります。
キックバックが起きたときに左手を放してしまわないよう、正しい保持とブレーキ操作に対する意識を身につけることが重要です。
もちろん、チェーンブレーキだけに頼るのではなく、キックバックを起こさない操作が大前提です。
さて、いざ競技開始。
最初は勢いよく操作していても、回数を重ねるにつれて疲れが出てきます。
30回を繰り返すだけでも、思った以上に大変。
しかも、目標は30秒です。
今回は残念ながら、全員が目標タイムには届きませんでした。
しかし、その分、確実な操作を繰り返すことの大切さを体感できたと思います。
見事に優勝した研修生が決まりました!
男性陣を抑えて、堂々の優勝です。
おめでとうございます!
安全を学ぶ研修にも、ときにはこうした楽しい競争があってもよいと思います。
ただし、大切なのは速さだけではありません。
ブレーキを確実に操作すること。
左手の保持を意識すること。
そして、キックバックに対する安全意識を高めることです。
楽しみながら、安全に必要な操作を身につける。
これもFOREST COLLEGEらしい研修の一つです。
次回大会では、果たして30秒の壁を突破する研修生が現れるのでしょうか。
今後のお楽しみです。
まっすぐ切る技術も、正しく研ぐ技術も、安全を守る操作も、すべては基本の積み重ね。
チームビギナー2026、今日も一歩前進しました。
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