

2026年10月4日
令和8年度 埼玉県林業技術者育成研修|チェーンソー
FORESTRY TRAINING REPORT|DAY 22
チェーンソーの組付けを進めた2026年10月4日(日)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day22を実施しました。
本日の参加者は5名。
研修内容は、引き続きチェーンソースキルアップ「チェーンソーの組付け」です。
Day19から始まったMS210の分解・清掃・組付け。
Day21ではエンジン部分まで組み上がり、今日はいよいよ完成へ向けて各部品を戻していきます。
しかし、組付けは速さを競う作業ではありません。
部品の向き。
ホースの位置。
配線の通り方。
締め付ける順番。
一つひとつを確認しながら進めなければ、後から大きく戻ることになります。
今日のテーマは、
「完成を急がない。確認して、確実に進める。」
です。
一日の始まりは、今日も表情体操から。
Day22まで来ると、すっかり研修の朝の風景になりました。
身体と表情を動かし、頭のスイッチも入れる。
今日は細かな部品と向き合う一日です。
まずは人間側のエンジン始動からです。
組付けで最初に苦労したのが、マニホールドとインパルスホースです。
狭いスペースの中を通し、正しい位置へ収めていきます。
チェーンソーは外から見るとコンパクトですが、その内部では部品やホースが限られた空間に収まっています。
少し位置が違うだけでも、その後の部品が正しく取り付けられません。
ここでも大切なのは、
入ったからよい、ではなく、正しい位置に入っているかを確認すること。
です。
マニホールドが正しい位置に収まっていないことが分かり、エンジンを少しずらして入れ直しました。
組付けでは、先へ進んでから違いに気づくことがあります。
そんなときに、
「ここまで組んだから、このまま何とかしよう」
ではいけません。
必要なら戻る。
位置を直す。
もう一度確認してから先へ進む。
戻ることも、正しい作業の一部です。
むしろ早い段階で気づいて修正できれば、その後の組付けが確実になります。
続いて、マフラーとフライホイールを取り付けます。
マフラーは、そのまま戻すのではなく、内部にたまったカーボンも確認しました。
分解したときだからこそできる整備があります。
Day20でもピストンやシリンダー、クランクケースをきれいにしました。
組付けは、
外した部品を元へ戻すだけではありません。
状態を確認し、必要な清掃や整備を行い、より良い状態で元へ戻す。
それがスキルアップ研修で行う意味です。
続いてコイルを取り付けます。
チェーンソーの部品は、それぞれ単独で働いているわけではありません。
一つの部品を正しい位置へ取り付けることが、次の部品、そして最終的なエンジン始動へつながっていきます。
図解表を開き、
実物を見る。
向きを合わせる。
必要な場所を確認する。
分からなくなったら、先へ進むのではなく確認する。
Day22では、この繰り返しを大切にしました。
クラッチの取り付けへ進みます。
今日大切にしたのは、一人だけで判断して作業を進めないことです。
一人が部品を持つ。
一人が図解表を見る。
別の人が位置や向きを確認する。
複数の目で確認することで、思い込みによる間違いを減らすことができます。
研修メモでも、「一人で行わずに確認しあう」ことを今日の重要なポイントとしています。
林業現場でも同じです。
確認することは、技術の一部です。
ブレーキを取り付ける頃には、分解されていたMS210も、だいぶチェーンソーらしい姿へ戻ってきました。
何日もかけて、
分解。
清掃。
エンジン組付け。
各部品の取り付け。
と進んできました。
バラバラだった部品が、一つずつつながっていく。
構造を学ぶ研修だからこそ見られる過程です。
完成品だけを見ていると分かりませんが、
一台のチェーンソーは、多くの部品が正しい位置で働くことで初めて一台の機械になります。
今日、一番伝えたいことはここです。
チェーンソーを組み付けるとき、
分からなくなってからテキストを開くのではありません。
最初から分解組立ガイドと図解表を開いておく。
そして、
図解表の向き。
実機の向き。
部品の位置。
この三つをそろえて確認します。
図だけを頭の中で回転させようとすると、だんだん分からなくなります。
だから、
図解表の向きと実機の向きを合わせる。
これは非常に大切です。
Day19では「図解表を読める力」。
Day21では「分解時に記録を残すこと」。
そしてDay22では、
「資料と実機を同じ向きで照らし合わせ、一つずつ確認すること」
へと学びが進みました。
今日はMS210の完成までを目標としていました。
しかし、キャブレターやスイッチ類などを残し、作業はここまでとなりました。
もちろん、完成まで行きたかった。
写真の表情にも、そんな気持ちが少し出ています。
しかし、機械整備で大切なのは、
予定時刻までに完成させることではありません。
正しく組むことです。
分からないまま進めない。
違っていれば戻る。
資料を見る。
互いに確認する。
一つずつ確実に進める。
その方が、最後にエンジンを始動したときの意味も大きくなります。
完成を急がないことも、技術です。
Day19でチェーンソーを分解したときには、
部品を外す。
スクリューを外す。
エンジンを取り出す。
という方向へ作業が進みました。
しかし、元へ戻そうとすると、その一つひとつの意味が見えてきます。
なぜこの部品はここにあるのか。
なぜこの向きなのか。
なぜこのホースはここを通るのか。
組付けを経験することで、分解のときには見えなかった構造が理解できる。
それこそが、この研修の大きな目的です。
完成まであと少し。
MS210の復活は、もう少し先のお楽しみとなりました。
次回は10月10日(土)、Day23。
伐木造材作業実技を行います。
ここ数週間は、チェーンソーを分解し、内部構造と向き合ってきました。
次回は、そのチェーンソーを使う林業現場へ戻ります。
機械の中身を知ったことで、これまでとは少し違った目でチェーンソーを扱えるはずです。
速く進むことより、正しく進むこと。
確認し、必要なら戻り、仲間と確かめながら一つの仕事を完成させる。
チームビギナー2026、また一つ大切な現場力を身につけました。
※フォレストカレッジホームページ
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