

2026年9月9日
今日は9月9日、救急の日です。
林業の安全というと、
チェーンソーを正しく使う。
刈払機の周囲を確認する。
防護具を着ける。
そんな「事故を起こさないための技術」がまず思い浮かびます。
もちろん、それが一番大切です。
でも、安全を考えるならもう一つあります。
もし誰かがけがをした時。
突然、体調が悪くなった時。
どうやって助けにつなげるのか。
山では、この準備も必要です。
町の中なら、住所や建物名を伝えれば場所を特定しやすいでしょう。
でも森林現場では、
「○○山の中です」
だけでは十分に伝わらないことがあります。
どの林道から入ったのか。
現場はその入口からどのくらい先なのか。
車がどこまで入れるのか。
目印になるものはあるのか。
助けを呼ぶためには、まず、
自分たちのいる場所を説明できること
が大切です。
現場へ着いたら、
「今日はここで作業する」
と全員が分かっているつもりになります。
でも、いざ説明しようとすると、
場所の名前が分からない。
林道名が分からない。
入口までどう戻ればよいか曖昧。
ということもあり得ます。
だから作業前に、
現場の位置。
林道の入口。
車を置いた場所。
分かりやすい目印。
を確認しておく。
スマートフォンの地図などを使うこともできます。
事故が起きていない時だからこそ、落ち着いて確認できます。
山では、いつでも同じように電話がつながるとは限りません。
林道ではつながった。
でも谷へ入ったらつながらない。
そんなこともあります。
「何かあったら電話すればいい」
ではなく、
どこなら連絡できるか
を知っておく。
作業中に通信状況が不安定なら、
「ここまで戻ればつながる」
という場所を共有しておくことも一つの準備です。
通信手段を持っていることと、実際に使えることは同じではありません。
緊急時に全員が同時に動くと、混乱します。
誰かが負傷者のそばにいる。
誰かが連絡する。
誰かが林道入口へ向かう。
現場の状況によって役割は変わりますが、
少なくとも、
「誰が中心になって動くのか」
を普段から意識しておくだけでも違います。
事故が起きてから、
「誰が電話する?」
と相談を始める時間を減らせます。
山の中では、救急車や救助に来る人が現場まで直接たどり着けない場合があります。
林道入口が分かりにくい。
分かれ道が多い。
一般車両では入りにくい。
そんな現場なら、
「どこで待ち合わせるか」
も考えておく必要があります。
誰かが入口へ出る。
分かりやすい場所で待つ。
必要な情報を伝える。
助けを呼ぶことと、助けを現場までつなぐことはセットです。
救急用品を用意している現場も多いと思います。
でも、
どこにあるのか。
誰が持っているのか。
中身は使える状態か。
全員が知っているでしょうか。
「車のどこかに入っている」
では、緊急時には困ります。
作業前に、
「救急用品はここ」
と確認しておくだけでも違います。
必要な物は、必要な時に使えて初めて備えになります。
複数人の現場なら、誰かが異変に気づけます。
でも一人で山へ入る場合は違います。
自分が戻らなかった時、誰が気づくのか。
どこへ行っていることを誰かが知っているのか。
何時頃戻る予定なのか。
一人作業では、
自分から助けを呼べない状況まで想像しておく
ことが大切になります。
「自分は大丈夫」という気持ちだけでは、備えにはなりません。
救急という言葉を聞くと、
けがをした後の手当てを思い浮かべます。
でも森林現場では、その前があります。
現場の場所を共有する。
連絡方法を確認する。
救急用品の場所を知る。
林道入口を確認する。
誰がどう動くのかを考える。
ここまで準備しておけば、
何か起きた時に、助けへつなげやすくなります。
救急対応は、事故が起きる前から始まっています。
先日の防災の日編では、
急な雨。
雷。
通行不能。
通信。
避難や帰路。
など、「もしも」に備える話をしました。
今日はもう少し絞ります。
誰かに救助が必要になった時、どうやって助けにつなげるか。
防災も救急も共通しているのは、
何か起きてから全部考え始めないことです。
普段の数分の確認が、緊急時には大きな意味を持ちます。
山の仕事で一番大切なのは、事故を起こさないことです。
でも安全を本当に考えるなら、
もし事故や急病が起きた時のことも考えておかなければなりません。
自分たちはどこにいるのか。
電話はどこでつながるのか。
誰が連絡するのか。
救急用品はどこにあるのか。
救助に来る人を、どこで迎えるのか。
森では、「助けを呼べる準備」も安全技術になる。
救急の日だからこそ、
救命処置だけではなく、
「助けが必要になった時、ちゃんと助けへつなげられるか」
を一度確認してみたいと思います。
何も起きていない今日だからこそ、できる準備があります。
「何かあったら119番すればいい、と思っていました。
でも山の中では、まず自分たちがどこにいるのかを伝えなければいけないんですね。
電話がつながる場所。
林道の入口。
救急用品の場所。
誰が連絡するのか。
助けを呼ぶ“その前の準備”も、安全の一部なんだと思いました。」
※フォレストカレッジホームページ
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