

2026年10月3日
チェーンソーの組付けを進めた2026年10月3日(土)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day21を実施しました。
本日の参加者は5名。
研修内容は、チェーンソースキルアップ**「チェーンソーの組付け」**です。
Day20では、部品を徹底的に清掃し、ピストンをシリンダーへ組み付けるところでピストンリングを破損しました。
そして今日は、その続きです。
新たなピストンリングを用意し、再びエンジンの組付けへ挑戦します。
今日の研修を通して分かったのは、
組付けの成否は、組付けの日だけで決まるのではない。
ということでした。
分解するときに何を見たか。
どこに何が付いていたか。
写真や記録を残したか。
実は、分解した瞬間から次の組付けは始まっています。
今日も研修は、恒例の表情体操からスタートです。
Day21まで続けてくると、前へ出ることにもずいぶん慣れてきました。
技術を身につけるだけではなく、人前で話すこと、仲間へ伝えること、自分から動くこと。
今年度は単なる作業者ではなく、将来は人に教えられる技術者へ育ってほしいと考えています。
朝の数分にも、そんな練習が積み重なっています。
今日は組付け作業の途中ですが、そこで作業だけに追われません。
キャブレターのメカニズムについて、動画を使って確認しました。
Day19ではキャブレターを取り外し、Day20では内部のメタリングダイヤフラム側まで確認しました。
実際に自分たちで部品へ触れた後に仕組みを見ると、
「この部品はここにつながっているのか」
「この動きには、こういう意味があるのか」
と理解がつながってきます。
分解する。見る。仕組みを学ぶ。そして組み戻す。
一つの機械をいろいろな方向から理解していきます。
Day20で苦労したピストンとシリンダー。
今日は無事に組付けることができました。
前回、ピストンリングを破損した経験があります。
だから今回は、前回以上に位置や入り方を確認しながら慎重に進めます。
そしてようやく、エンジン部分の組付けが終了しました。
一度失敗した作業だからこそ、うまくできたときには、
「なぜ今回はできたのか」
を考えることが大切です。
失敗をただの失敗で終わらせず、次の作業へつなげる。
これも技術を身につける過程です。
エンジンを組み付ける際には、トルクレンチについても学びました。
ボルトやスクリューは、
強く締めれば締めるほどよい
というものではありません。
必要なのは、正しい方法で締め付けること。
そこで、トルクレンチの使い方を確認します。
機械整備では、感覚だけに頼らず、道具を使って確認することも重要です。
説明を聞いたら、実際に研修生自身がトルクレンチを使います。
見るだけでは分かりません。
工具を持ち、
セットし、
実際に締め付ける。
そこで初めて、工具の使い方や感覚が身体に入ってきます。
目立てでも、チェーンソー操作でも同じでした。
聞いただけの知識を、実際に自分の手でやってみる。
この繰り返しが技術になります。
そして今日、最も大きな学びになったのがこの場面です。
分解した部品を元へ戻していく途中、
図解表を見ても組付け方が分からない場所が出てきました。
理由は明確でした。
分解するときに、
写真や配置の記録を十分に残していなかったからです。
図解表には、部品の位置や構成は描かれています。
しかし、実際に組み立てるときに欲しい情報が、すべて同じ見え方で載っているとは限りません。
「このホースは、どちらを通っていたのか」
「この配線は、どこを回っていたのか」
「完成状態では、ここはどう収まっていたのか」
完成した状態を一度見ているのに、記録していなければ、その記憶は意外なほど曖昧です。
そこで今回は、別の実機を持ってきて実際の配置を確認しながら組付けました。
これは研修生にとって、非常に大きな経験になったと思います。
今日一番伝えたいことの一つが、ここです。
初めて分解する機械は、外す前に写真を撮る。
部品を一つ外したら、必要ならもう一枚。
ホースや配線が複雑な場所なら、角度を変えてもう一枚。
「覚えているから大丈夫」
と思っていても、部品が増えてくると分からなくなります。
スマートフォンがある時代です。
難しい記録方法は必要ありません。
外す前に撮る。
途中でも撮る。
必要ならメモを残す。
ほんの数秒の記録が、組付けのときに何十分もの迷いを防いでくれます。
Day19では「図解表を読めることが大切」と学びました。
今日はそこからもう一歩進みました。
図解表+自分で残した記録。
この二つがあれば、組付けの確実性はさらに高まります。
今日もう一つ確認したのが、組付け前の状態です。
メモにもあるように、油分を除く必要がある箇所では、しっかり油分を除いてから組み付けることを確認しました。
Day20では、汚れやカーボン、古いガスケットなどを徹底的に清掃しました。
今日はさらに、
ただ「きれいに見える」だけではなく、
その部品を正しく組み付けられる状態にすること
まで意識します。
機械整備は、部品を元の位置へ戻すだけではありません。
一つひとつの部品を、正しい状態で、正しい位置へ戻していく作業です。
Day19では、研修生たちはチェーンソーをどんどん分解していきました。
外す作業は、ある意味では進む方向が一つです。
しかし組付けは違います。
向き。
位置。
順番。
スクリュー。
ホース。
配線。
そして締め付け。
すべてを正しい状態へ戻さなければなりません。
そこで初めて気づきます。
「外せること」と「元へ戻せること」は、同じではない。
だからこそ、分解するときに次の工程を考えておく必要があります。
今日の研修は、単なるチェーンソー組付け以上に、
作業の先を考えて準備すること
を学ぶ一日になりました。
エンジン部分の組付けはできました。
しかし、まだ完成ではありません。
次回10月4日(日)、連番ではDay22。
引き続き、チェーンソーの組付け・試運転へ進みます。
目標はもちろん、
MS210を一台のチェーンソーとして組み上げ、エンジンを始動させること。
Day19で分解。
Day20で清掃とピストン組付けに挑戦。
Day21でエンジン部分を組み上げる。
三日間かけて、少しずつ機械が元の姿へ戻ってきました。
そして次はいよいよ、
エンジンはかかるのか。
ここまでの作業すべての答え合わせです。
分解するときから次の工程を考え、記録し、確認しながら確実に戻せる技術者へ。
チームビギナー2026、MS210復活まであと一歩です。
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