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令和8年度埼玉県林業技術者育成研修

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林業研修Day10|山で測った数字を図面に変えるコンパス測量内業

2026年8月9日

令和8年度 埼玉県林業技術者育成研修
FORESTRY TRAINING REPORT|DAY 10

山で測った数字を、図面に変える

 

電卓片手に挑んだコンパス測量内業

2026年8月9日(日)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day10を実施しました。

本日の研修は、コンパス測量の内業実習です。

参加者は5名。

昨日まで山の中で行ってきたコンパス測量では、測点ごとに方位角、傾斜角、距離などを測定しました。

今日は、その測定データを教室へ持ち帰り、

  • 斜距離を水平距離へ換算する
  • 緯距・経距を算出する
  • 閉合誤差を算出する
  • 誤差の調整量を算出する
  • 調整緯距・調整経距を算出する

という計算に一日かけて取り組みました。

昨日は山で身体を使い、今日は教室で頭を使う。

コンパス測量は、外業だけでは完成しません。

 


今日も元気に表情体操

一日の始まりは、恒例の表情体操からです。

昨日は斜面を歩きながら、一日かけてコンパス測量の外業を行いました。

今日は一転して、ほぼ一日机に向かって計算です。

同じ測量でも、求められる力はまったく違います。

外業では、器械を正確に据え、測り、記録する力。

内業では、その数字を間違えずに計算し、結果を整理する力。

どちらが欠けても、測量は完成しません。

 


外業で測った数字が、今日の材料

昨日まで記録してきた野帳をもとに、内業が始まりました。

まず行うのは、現場で測った斜距離を水平距離へ換算することです。

斜面で測った距離を、そのまま平面図へ描くことはできません。

傾斜角を使って水平面上の距離へ換算します。

ここで登場するのが三角関数です。

「サイン」「コサイン」。

学生時代以来、久しぶりに聞いたという研修生もいました。

林業研修で、まさか一日中三角関数を計算するとは思っていなかったかもしれません。

 


電卓片手に、ひたすら三角関数

研修生は電卓を片手に、一つの測線ずつ計算を進めました。

測点が一つだけなら、それほど大変ではありません。

しかし、測点が続けば、

測線1を計算。

測線2を計算。

測線3を計算。

さらに緯距、経距へ進む。

同じ作業を何度も繰り返します。

数字も小数点以下まで続くため、一か所入力を間違えるだけで、その後の計算結果も変わってしまいます。

昨日の外業と同じです。

急いで先へ進むことより、数字を一つずつ確認することが大切です。

 


「緯距」と「経距」で位置を表す

水平距離を算出した後は、測線を南北方向と東西方向の成分に分けていきます。

それが、緯距と経距です。

簡単に言えば、

緯距=南北方向へどのくらい進んだか
経距=東西方向へどのくらい進んだか

を数字で表したものです。

山の中では、測点と測点を一本の線として測ってきました。

内業では、その一本の線を南北と東西へ分けることで、各測点の位置関係を平面上に表せるようにしていきます。

ここでも三角関数を使います。

研修生にとっては、昨日の斜面とは別の意味で厳しい時間です。

 


暑さと計算で、頭もヒートアップ

この日は暑さに加え、慣れない計算の連続です。

何年ぶりかの三角関数。

小数点以下の数字。

プラスとマイナス。

一つ計算が終わると、また次の計算。

頭がヒートアップするのも無理はありません。

しかし、ここで慌てると余計に間違えます。

計算が合わないときには、

「どこかで間違えた」

と最初から全部やり直すのではなく、

入力した数字は正しいか。

プラスとマイナスは合っているか。

小数点の位置は間違っていないか。

一つずつ戻って確認します。

 


測量には必ず「誤差」がある

コンパス測量の内業で特に重要なのが、誤差の確認と調整です。

理論上、出発した測点を一周して同じ測点へ戻る閉合測量では、計算された位置もきれいに元の位置へ戻るはずです。

しかし、実際の測量では、

  • 器械の据え付け
  • 照準
  • 角度の読み取り
  • 距離測定
  • 記録
  • 計算

などの中で、小さな誤差が生じます。

そのため、計算上の終点が出発点へ完全には戻らないことがあります。

このずれが閉合誤差です。

これは「測量に失敗した」という意味ではありません。

大切なのは、どの程度の誤差が生じたのかを把握し、適切に調整することです。

 


誤差をそのままにすると、図面が閉じない

今日、一番理解してほしかったのがここです。

外業で一周して出発点へ戻ったはずなのに、測った数字をそのまま図面へ描くと、最後の線が最初の点へ届かない場合があります。

つまり、図面にすき間ができてしまうわけです。

そこで、発生した誤差を各測線の水平距離に応じて配分し、緯距と経距を調整します。

その調整後の数値が、

調整緯距・調整経距

です。

こうして最後の測点が出発点へつながるように整え、製図へ進みます。

誤差を隠すのではありません。

誤差を数字で確認し、合理的に調整する。

これも測量技術の大切な一部です。

 


正確に測っても、誤差はゼロとは限らない

昨日の外業では、

「急がば回れ」

と伝えました。

正確に測るべきところでは、時間をかけてでも正確に測る。

今日の内業も同じです。

ただし、どれだけ丁寧に測量しても、現場の測定には小さな誤差が生じます。

だからこそ、

測る。

計算する。

誤差を確認する。

調整する。

そして製図する。

という一連の作業が必要になります。

外業だけを見ていると分かりにくかった「なぜ正確に測らなければならないのか」が、内業まで進むとよく見えてきます。

 


一日中、数字と向き合った5人

本日は、ほぼ一日中電卓と計算用紙に向かいました。

チェーンソーも使いません。

山へも入りません。

それでも、これも林業技術者に必要な研修です。

森林の面積を測る。

境界を確認する。

森林の状態を図面に表す。

そのためには、現場で測る力だけでなく、測った数字を正しく処理する力も必要です。

苦手だから避けるのではなく、分からないところを確認しながら一つずつ進む。

5名とも、最後まで数字と向き合いました。

 


外業と内業がつながって、測量になる

Day8、Day9では山の中でコンパスを据え、測点を追いながら数字を測りました。

Day10では、その数字を教室で計算しました。

外業でいい加減に測れば、内業で困ります。

内業で数字を間違えれば、せっかく正確に測った外業が生かされません。

測ることと、計算すること。

その両方がつながって、初めて一つの測量になります。

今日は、外業で得た数字が、少しずつ図面へ近づいていく一日となりました。

 

次回は8月22日(土)、Day11。

森林3次元計測システム「OWL」を使った森林計測へ進みます。研修スケジュールでも8月22日は森林3Dの基礎研修が予定されています。

昔ながらのコンパス測量を学んだ次は、最新の3次元計測へ。

この流れも面白くなってきました。

 

森で働く。未来を育てる。

測った数字を理解できることが、新しい技術を使いこなす土台になります。

 

 

 

※フォレストカレッジホームページ
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※アメブロ
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