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令和8年度埼玉県林業技術者育成研修

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林業研修Day8|三脚で水平を出す、初めてのコンパス測量実習

2026年8月2日

令和8年度 埼玉県林業技術者育成研修
FORESTRY TRAINING REPORT|DAY 8

水平を出す。目標を捉える。

 

初めてのコンパス測量外業実習

2026年8月2日(日)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day8を実施しました。

本日の研修は、森林・林業の基礎実技「コンパス測量(外業)」です。

本日の研修生は4名。

前回は教室内で、コンパスの構造や操作方法、三脚を使った水平調整などを学びました。

本日は実際の測量地へ入り、測量地と測点の位置を確認した後、初めてのコンパス測量外業に取り組みました。

最初に研修生が苦労したのは、数値を読み取ることではありません。

測点の真上に器械を据え、方位盤を水平にすることでした。

測量は、器械を正しく据えるところから始まります。

 


初めてのコンパス測量外業

コンパス測量では、測点と測点を結び、方位角、傾斜角、距離などを測ります。

しかし、すぐに測定を始められるわけではありません。

まず必要なのは、

  • 測量地を確認する
  • 測点の位置を確認する
  • 三脚を安定させる
  • コンパスを測点の真上へ据える
  • 方位盤を水平にする

という準備です。

森林内には斜面や段差があり、三脚を置きやすい平らな場所ばかりではありません。

足元の状態を見ながら三脚を安定させ、正しい位置へ器械を据える必要があります。

 


測点の真上で水平を出す難しさ

研修生が最も苦労したのは、測点の真上で方位盤を水平にすることでした。

方位盤を水平にしようとして三脚の脚を動かすと、今度は器械の中心が測点からずれてしまいます。

反対に、測点の真上へ器械を移動させると、せっかく合わせた水平が崩れることがあります。

最初から、測点と水平を同時にぴたりと合わせようとすると、なかなかうまくいきません。

そこで、ある程度位置を予測して方位盤を水平にし、その状態を保ちながら器械全体を測点へ近づけます。

最後に、測点との位置と水準器の気泡を確認しながら微調整します。

一度に完成させようとせず、順番に合わせることが大切です。

 


斜面では一つずつ確認する

斜面では、平地以上に三脚の調整が難しくなります。

一本の脚を少し動かしただけでも、器械の高さ、傾き、測点との位置が変わります。

研修生には、

「一度にすべてを合わせようとしないこと」

を伝えました。

まず三脚を安定させる。

次に、操作しやすい高さを決める。

その後、方位盤を水平へ近づける。

最後に、測点の真上へ位置を合わせる。

作業を小さく分ければ、何がずれたのかも分かりやすくなります。

測量だけでなく、林業の技術は基本動作を一つずつ積み上げることで身についていきます。

 


球状接合部に頼らず、三脚で水平を出す

コンパスには、器械の傾きを調整するための球状接合部があります。

球状接合部を使えば、方位盤を比較的簡単に水平へ近づけることができます。

しかし、当研修では、最初から球状接合部へ頼らず、三脚の脚を使って水平を出す練習を行っています。

三脚だけで調整するため、初めは時間がかかります。

それでも、三脚の脚を動かしたときに器械がどの方向へ傾くのかを理解することができます。

この基本を身につけた後で球状接合部を使うと、器械をより速く、正確に水平へ合わせられるようになります。

便利な機能を使わないことが目的ではありません。

便利な機能を正しく使いこなすために、先に基本を身につけることが目的です。

 


ポールを鉛直に立てる工夫

ポールマンは、次の測点へ測量ポールを立てます。

ポールが斜めに立っていると、コンパスマンは正しい測点位置へ照準を合わせられません。

そこで今回は、ポールへ水準器を取り付け、鉛直に立っているか確認しやすいように工夫しました。

見た目だけで「まっすぐだろう」と判断するのではなく、道具を使って確かめます。

ポールマンは、ポールの位置だけでなく、立て方にも注意する必要があります。

コンパス測量は、コンパスを操作する人だけで行うものではありません。

ポールマン、コンパスマン、記録する人が、それぞれの役割を正確に果たすことで測量が成り立ちます。

測量テキストでも、コンパスマン、ノートマン、ポールマンが役割を分担して測量を進める方法が示されています。

 


ポールマンへ照準を合わせる

コンパスを測点の真上へ据え、方位盤を水平にできたら、次の測点に立つポールマンへ照準を合わせます。

視準器をのぞき、十字線とポールを正確に重ねます。

器械を水平に据えても、照準がずれていれば正しい方位角は読み取れません。

また、磁針が動いている途中で数値を読んではいけません。

  • 方位盤が水平になっているか
  • ポールが鉛直に立っているか
  • 十字線とポールが合っているか
  • 磁針が止まっているか

を確認してから数値を読みます。

読み取った数値は声に出し、記録する人が復唱して野帳へ記入します。

測量テキストでも、方位角は磁針の振れが完全に止まってから読み取り、数字は復唱しながら記録することが注意事項として示されています。

 


小さな誤差を積み重ねない

コンパス測量では、一つの測点で生じた小さなずれが、その先の測点へ積み重なります。

  • 器械が水平になっていない
  • 測点の真上に据えられていない
  • ポールが斜めに立っている
  • 照準が中心から外れている
  • 数値を読み間違える
  • 野帳へ違う数字を記入する

一つひとつは小さな誤差でも、測量を続けるうちに大きなずれとなります。

そのため、最初は速さを求めません。

一つずつ手順を確認し、正確に操作することを優先します。

うまく据えられず、何度も三脚を動かす時間も無駄ではありません。

どの脚を動かすと、気泡がどちらへ動くのか。

器械を測点へ寄せると、水平がどう変わるのか。

自分で試行錯誤することで、少しずつ器械の動きが分かるようになります。

 


初めての外業を終えて

初めてのコンパス測量外業が終了しました。

慣れない斜面での三脚の据え付けや水平調整に時間がかかり、研修生には疲れも見られました。

それでも、実習の後半には、水準器の見方や三脚の動かし方が少しずつ分かり始めていました。

最初から速くできる必要はありません。

まず、正しい手順を覚える。

次に、同じ操作を繰り返す。

繰り返すうちに、器械の扱いは少しずつ速く、正確になっていきます。

来週の実習では、今日より落ち着いて据え付けられるようになることを期待しています。

 


基本は、遠回りに見えて一番の近道

球面関節

しかし、器械の仕組みや三脚の基本操作を理解しないままでは、足場や条件が変わったときに対応できません。

当研修では、あえて最初に三脚の脚を使って水平を出す練習を行います。

時間はかかります。

研修生も苦労します。

それでも、三脚の動きと器械の傾きの関係を身体で理解すれば、その後に球状接合部を使ったとき、より速く正確に操作できるようになります。

苦労して身につけた基本は、簡単には崩れません。

次回は8月8日(土)。

コンパス測量の外業を続け、測定した数字を使った内業にも取り組みます。

森で働く。未来を育てる。

そのために、まず正しく器械を据える基本を身につけます。

 

 

 

※フォレストカレッジホームページ
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