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2025年7月9日
林業の魅力シリーズ 第270弾
伝統を燃やし、未来を照らす-木炭づくりの技術
かつて日本の山村では、
木炭は「黒いダイヤ」とも呼ばれ、燃料としてだけでなく、
経済と文化を支える重要な資源でした。
今回のテーマは、
その木炭づくりの知恵と技術に光を当てます。
現代では忘れられつつあるこの技術が、
実は未来の林業や環境保全にもつながるヒントを
秘めているのです。
白炭と黒炭-二つの炭の違い
木炭には大きく分けて「白炭(はくたん)」と「
黒炭(くろずみ)」があります。
白炭は高温で一気に焼かれ、
叩くと金属音がするほど硬く、代表格が紀州備長炭。
一方、黒炭は比較的低温でゆっくりと焼き上げ、
家庭用や農業用途として広く使われてきました。
この違いは、炭の燃焼温度・燃焼時間・用途に
直結しており、それぞれの地域の暮らしや産業と
密接に結びついてきました。
炭焼きの技-窯に込める職人の知恵
炭焼きは、ただ木を燃やすのではなく、
酸素をコントロールしながら木を炭化させる
という繊細な作業です。
土窯にナラやクヌギ、アカマツなどを詰め、
数日かけてじっくりと焼き上げます。
煙の色や臭いで状態を見極める職人の勘は、
まさに自然と向き合う感覚そのもの。
この技術は簡単には機械化できない、
人の感性と経験に支えられた知恵の結晶なのです。
現代に甦る木炭-環境と循環の鍵
現在、木炭は「古い燃料」として扱われがちですが、
再評価が進んでいます。
例えば、木炭は二酸化炭素排出が少ない
再生可能エネルギー源として注目され、
また土壌改良材や消臭剤、調湿材としての
利用も広がっています。
さらに林業では、間伐材を無駄なく活用する手段として、
炭焼きの技術が再び見直されているのです。
火を囲み、未来を考える
木炭づくりは、単なる技術の話ではなく、
自然と共生する暮らしの象徴でした。
「山を焼いて、暮らしを守る」-
この言葉の奥にあるのは、
持続可能な資源利用と人の営みの知恵です。
今こそ、私たちはこの伝統からもう一度学び、
未来の森林とエネルギーのあり方を
考えるときかもしれません。
※令和7年度埼玉県林業技術者育成研修オンライン説明会(25/06/09)
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ