

2026年11月8日
2026年11月8日(日)、令和8年度埼玉県林業技術者育成研修Day32では、チェーンソーを使った通常伐倒の通し練習と、追いづる伐倒に向けた突っ込み切りの実習を行いました。
本日の参加者は3名。
昨日は株式会社ウッディーコイケの製材工場を見学し、丸太が住宅の構造材になるまでの工程を学びました。
そして今日は、再びチェーンソーの実技研修です。
これまで何日も繰り返してきた受け口作り。
最初は、下切りと斜め切りの切り終わりを合わせることにも苦労していました。
そこへ、伐倒方向を正確に狙うという課題が加わり、さらに追い口切りへと進んできました。
今日の午前中は、その技術を組み合わせた通常伐倒の通し練習です。
受け口も少しずつ狙った方向へ向けられるようになり、追い口も何とか切れるようになってきました。
そこで午後からは、いよいよ次の技術へ。
「追いづる伐倒」に向けた突っ込み切りの練習です。
しかし、この突っ込み切りには、これまでとは違った危険があります。
それが、キックバックです。
今日は、新しい技術を身につけるために、まず危険を正しく理解することから始めました。
今日も、日直による朝のあいさつと、恒例の「運気の上がる顔の表情体操」から始まりました。
「あいうえお」の発声。
指の耳はさみ。
舌の口内周回。
そして、あごの持ち上げ。
毎回続けてきた四つの運動です。
最初は、日直として人前に立つことにも緊張があったかもしれません。
しかし、研修も32日目。
いつもの朝の習慣が、一日のスタートに自然なリズムをつくっています。
林業の現場では、技術だけでなく、仲間とのコミュニケーションも欠かせません。
声を掛ける。
合図を伝える。
相手の反応を確かめる。
そして、自分の意思をはっきり伝える。
こうしたことも、安全に作業するための基本です。
朝の小さな積み重ねが、森で働くための大切な力につながっていきます。
今日の研修生は3名。
人数は少ないですが、その分、一人ひとりに目を配りながら、じっくりと指導することができます。
写真では、研修生がチェーンソーを操作する様子を、近くで確認しています。
一人が作業する。
その動きをよく見る。
必要なところを確認し、次の練習へつなげる。
少人数の研修には、こうした良さがあります。
受け口作りや追い口切りでは、身体の位置やガイドバーの姿勢が仕上がりに大きく影響します。
本人は正しく構えているつもりでも、外から見ると身体が傾いていることがあります。
逆に、以前と比べて改善されている部分も見えてきます。
できていないところを指摘するだけではなく、できるようになったところも確認する。
それが、技術を身につけるうえで大切だと思います。
今日は、少人数だからこそできる濃い実習になりました。
午前中は、通常伐倒の通し練習から始めました。
これまで、受け口作りと追い口切りを別々に練習してきました。
今日は、それらを一連の作業としてつなげていきます。
受け口で伐倒方向を狙う。
下切りと斜め切りを正確に合わせる。
そして、ツルを残すことを意識しながら追い口を切る。
一つひとつの作業には、それぞれ大切な目的があります。
以前は、チェーンソーをどのように構えればよいのか、身体の位置がなかなか決まらないこともありました。
しかし、繰り返し練習してきたことで、少しずつ自然な構え方になってきました。
写真に写る姿勢からも、その変化が感じられます。
ただし、姿勢が良くなったからといって、すべてが完成したわけではありません。
正しい姿勢を保ちながら、狙った方向へ正確に切ること。
それが次の課題です。
技術が身につくということは、頭で考えていた動作が、少しずつ身体の動きと結びついていくことでもあります。
その変化が見えてきたことは、大きな前進です。
午前中の通常伐倒の通し練習を終え、午後からは新しい技術に取り組みました。
**追いづる伐倒(追いづる切り)**です。
通常伐倒では、受け口の反対側から追い口を切り進めていきます。
これに対し、追いづる伐倒では、幹の後方に追いづるとなる部分を残し、側面から突っ込み切りによって追い口を形成します。
最後まで残す部分を設けることにより、伐倒の過程をコントロールする考え方です。
特に、偏心が大きい木や裂けやすい木などでは、有効な伐倒方法となる場合があります。
ただし、通常伐倒より簡単な方法というわけではありません。
むしろ、突っ込み切りという難しい操作が必要になるため、チェーンソーの扱いに十分な技術と安全知識が求められます。
今日の研修では、追いづる式で実際に立木を倒す段階へ進んだのではありません。
まずは、その基本となる突っ込み切りを、実習材で練習することにしました。
新しい技術を学ぶときほど、基本を省略してはいけません。
ここで、今日最も重要な安全上のポイントを確認しました。
突っ込み切りでは、キックバックに十分注意しなければならないということです。
キックバックとは、ソーチェーンが回転しているガイドバーの先端部分などが木材に接触した際、チェーンソーが急激に跳ね返される現象です。
特に危険なのが、ガイドバー先端の上側部分です。
この部分が木材に接触すると、予期しない方向へチェーンソーが跳ね上がるおそれがあります。
そのため、突っ込み切りでは、キックバックの危険がある先端上部を不用意に接触させないことが重要です。
講師の指導では、キックバックが発生しやすい部分とは反対側を意識し、切り込みを始める基本を確認しました。
ただし、入り方だけを覚えれば安全というわけではありません。
ガイドバーの動き。
身体の位置。
周囲の状況。
そして、切断中のチェーンソーの反応。
これらを十分に確認しながら、指導のもとで練習する必要があります。
キックバックを起こしてから対応するのではなく、起こさないための操作を身につける。
これが、今日の大切な学びです。
講師から説明を受けた後は、実際の練習です。
ここで新たな難しさが出てきました。
それは、ガイドバーを二つの方向で水平に保つことです。
ガイドバーを横から見ると水平になっている。
しかし、別の方向から確認すると傾いている。
そのようなことが起こります。
これは、以前に練習した水平切りでも経験してきたことです。
しかし、突っ込み切りでは、ガイドバーを木材の内部へ進めていくため、より慎重なコントロールが必要になります。
手元の動きが変われば、ガイドバーの方向も変わります。
身体の姿勢が崩れれば、狙った方向からずれてしまうこともあります。
そこで、一つひとつの動きを確認しながら、ガイドバーの姿勢を保つ練習を進めました。
一方向だけではなく、二方向で水平を意識する。
言葉にすれば簡単ですが、実際にチェーンソーを持って行うと、決して簡単ではありません。
だからこそ、繰り返し練習する必要があるのです。
「習うより慣れろ」という言葉があります。
今日の実習を見ていると、まさにその言葉を思い出します。
もちろん、危険な操作を理解しないまま、何度も繰り返せばよいという意味ではありません。
まず、正しい知識を身につける。
危険な部分を理解する。
講師の指導を受けながら、安全に配慮した操作を練習する。
そして、自分の動きを確認して修正する。
その繰り返しが必要です。
チェーンソーの扱いは、頭で理解することと、実際に身体を動かすことの両方が大切です。
これまでの研修でも、研修生たちは何度も同じ課題に取り組んできました。
最初は、まっすぐ切ること。
次に、45度の斜め切り。
さらに、受け口作りと追い口切り。
そして今日、新たに突っ込み切りが加わりました。
一つできるようになれば、次にはまた新しい難しさが待っています。
しかし、それを一つずつ乗り越えていくことが、技術を身につけるということなのです。
こちらは、低い位置での突っ込み切りの練習です。
写真では、研修生がしっかりと腰を落とし、安定した姿勢で作業に取り組んでいます。
チェーンソー作業では、同じ高さで切ることばかりではありません。
高い位置。
低い位置。
身体の前。
足元に近い位置。
作業する高さや場所によって、適切な身体の使い方も変わります。
特に低い位置では、無理に腰を曲げたり、身体を不安定な状態にしたりすると、チェーンソーを正確にコントロールすることが難しくなります。
大切なのは、足元を安定させ、無理のない姿勢を保つことです。
そして、その姿勢を保ったまま、ガイドバーの方向を意識します。
安全な姿勢があってこそ、正確な操作ができる。
これは、受け口作りでも、追い口切りでも、突っ込み切りでも変わらない基本です。
ここで、これまでの研修を振り返ってみます。
Day23では、まっすぐ切る練習。
Day24では、45度の斜め切りと水平切り。
Day25では、二つの切断面を合わせる受け口切り。
Day26からDay28では、伐倒方向を意識した受け口作り。
そしてDay30では、ツルを残すための追い口切りに進みました。
昨日のDay31では、製材工場で木材がどのように利用されるのかを学びました。
今日のDay32では、再び伐木造材作業へ戻り、通常伐倒の通し練習から追いづる伐倒の基本へ進みました。
こうして振り返ると、一つひとつの技術が、次の段階へつながっていることが分かります。
突っ込み切りで求められる二方向の水平も、これまで練習してきた技術の延長にあります。
安定した姿勢も、何度も指導を受けながら身につけてきたことです。
そして、キックバックへの注意は、チェーンソー特別教育のときから繰り返してきた安全の基本です。
新しい技術を学ぶときには、必ず以前に学んだ基本が必要になる。
そのことを、今日の実習でも改めて感じました。
今週は、研修生3名での研修となりました。
人数としては、研修開始以来の少なさでした。
しかし、内容は決して薄いものではありませんでした。
昨日は製材工場の見学。
今日は通常伐倒の通し練習から、追いづる伐倒に向けた突っ込み切りへ。
少人数だからこそ、一人ひとりが十分に練習できる時間もありました。
これまで苦労してきた受け口作りや追い口切りにも、少しずつ成果が見られるようになってきました。
そして、新しい技術に挑戦するところまで進みました。
写真に写る3名の表情からも、今日の充実した研修の様子が伝わってきます。
みんな、今週もよく頑張りました!
研修も残り8日間。
これまで学んだことを、一つひとつ確かな技術に変えていきましょう。
次回は2026年11月14日(土)、Day33。
引き続き、追いづる伐倒の練習を予定しています。
今日初めて取り組んだ突っ込み切り。
キックバックに注意すること。
ガイドバーを二方向で水平に保つこと。
そして、安全で安定した姿勢を維持すること。
どれも、一日だけで完全に身につけられる技術ではありません。
だからこそ、次回も基本を確認しながら練習を重ねていきます。
新しい技術ほど、焦らず、慎重に、確実に。
これからも、安全を最優先に取り組んでいきます。
技術が上達するほど、できることは増えていきます。
しかし、できることが増えたときこそ、危険を正しく理解しなければなりません。
技術の進歩と、安全への意識は、いつも一緒に育てていく。
その大切さを、改めて学んだDay32でした。
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/
※アメブロ
https://ameblo.jp/woodendreams/entrylist.html
※note(彩ちゃんの安全物語)
https://note.com/forestcollege/n/n3f22f4a6ef23