

2026年7月7日
今日から、新しく「森の仕事人日記」という記事を少しずつ書いていこうと思います。
林業の技術や安全だけでなく、講習の準備、道具のこと、ログハウス、こぴすの森、山へ向かう日々、そして時には趣味のジープのことまで。
森の仕事のまわりにある、表には見えにくい日常を書いていく予定です。
第1回は、講師の朝の話です。
講師の朝は、道具を見ることから始まります。
今日から、新しく 「森の仕事人日記」 という記事を少しずつ書いていこうと思います。
これまで続けてきた「林業の魅力シリーズ」は、これからも大切な柱として続けていきます。
ただ、私の仕事は林業の技術だけではありません。
研修の準備。
安全講習の段取り。
道具の手入れ。
ログハウス。
こぴすの森。
受講生との出会い。
山へ向かう朝。
そして、ときには趣味のジープの話。
そうした現場のまわりにある日々のことも、少しずつ残していきたいと思いました。
名前は、森の仕事人日記。
必殺仕事人とまでは言いませんが、森の裏側には、表に見えない仕事がたくさんあります。
第1回は、
講師の朝は、道具を見ることから始まる
という話です。
林業講習の日の朝、最初に見るものは何か。
それは道具です。
チェーンソー。
刈払機。
ヘルメット。
フェイスガード。
イヤーマフ。
手袋。
燃料。
チェーンオイル。
目立て道具。
テキスト。
修了証の準備。
水筒。
タオル。
一つひとつ確認していきます。
道具がそろっているか。
壊れていないか。
忘れ物はないか。
今日の講習内容に合っているか。
受講生の人数に足りているか。
天気に対応できるか。
朝の道具確認は、ただの持ち物チェックではありません。
その日の講習が安全に進むかどうかを決める、大事な時間です。
道具を見ていると、その日の授業の流れが頭の中に浮かんできます。
今日はチェーンソーの特別教育なのか。
刈払機の安全衛生講習なのか。
林業研修の実習なのか。
座学が中心なのか。
実技が多い日なのか。
道具を見ることで、講師の頭も授業モードに切り替わっていきます。
チェーンソーを見れば、
「今日は始動前点検を丁寧に見せよう」
と思います。
刈払機を見れば、
「肩掛けバンドの高さをしっかり伝えよう」
と思います。
ヘルメットを見れば、
「安全装備は着けるだけでなく、正しく使うことを話そう」
と思います。
テキストを見れば、
「今日はどこで受講生がつまずくか」
を考えます。
道具は、ただの物ではありません。
講師にとっては、その日の授業を思い出させてくれる相棒です。
現場では、道具の乱れは心の乱れにつながります。
燃料が足りない。
チェーンオイルを忘れた。
ヘルメットが足りない。
フェイスガードが壊れている。
手袋が濡れたまま。
テキストが足りない。
道具が車の中でぐちゃぐちゃになっている。
こういう状態で講習を始めると、講師の心も落ち着きません。
受講生の前に立つ前に、講師自身が整っていなければならない。
そのために、朝の道具確認があります。
道具がきちんと並んでいる。
燃料がある。
オイルがある。
予備がある。
テキストがある。
水分もある。
それだけで、朝の気持ちは変わります。
講師が落ち着いていれば、受講生も落ち着きます。
講師が慌てていれば、現場全体も慌ただしくなります。
だから、道具を整えることは、授業を整えることでもあります。
林業の道具は、便利な道具であると同時に、危険を伴う道具でもあります。
チェーンソーは木を伐る道具ですが、使い方を間違えれば大きな事故につながります。
刈払機は草を刈る道具ですが、キックバックや飛散物の危険があります。
ヘルメットやフェイスガードは、ただ身につければよいものではありません。
正しく装着し、正しく使って、初めて意味があります。
だから講師は、道具を軽く扱うことができません。
チェーンソーを置く向き。
刈払機の刃の状態。
燃料の扱い。
防護具の確認。
受講生に渡すタイミング。
実技に入る前の説明。
一つひとつが安全につながっています。
道具を見ることは、命を守る準備です。
私は、道具には人の性格が出ると思っています。
いつもきれいにしている人。
置き方が丁寧な人。
使った後に確認する人。
そのまま置きっぱなしにする人。
壊れかけても気にしない人。
刃の状態を見ない人。
道具の扱い方を見ると、その人の仕事への向き合い方が少し見えてきます。
林業は力仕事のように見えるかもしれません。
しかし、本当に大切なのは雑にやらないことです。
道具を雑に扱う人は、作業も雑になりやすい。
道具を大切にする人は、確認も丁寧になります。
もちろん、最初から完璧な人はいません。
だから講習では、道具の持ち方、置き方、点検の仕方から伝えます。
上手に使う前に、まず大切に扱う。
それが安全作業の入口だと思います。
講師が朝、道具を整えている姿は、受講生にも伝わります。
きちんと並べられた道具。
点検されたチェーンソー。
準備されたテキスト。
安全装備。
水分補給の準備。
実技場所の確認。
それを見れば、受講生も感じます。
「今日は安全を大事にする講習なんだ」
「道具は丁寧に扱うものなんだ」
「講師が本気で準備しているんだ」
言葉で説明する前に、準備の姿勢が伝わることがあります。
講習は、始まる前から始まっています。
受講生が来る前の朝。
道具を並べる時間。
実技場所を見る時間。
天気を確認する時間。
そこから、もう授業は始まっているのです。
今の道具は、昔に比べて便利になりました。
チェーンソーも性能が上がりました。
刈払機も扱いやすくなりました。
防護具も良くなりました。
情報も手に入りやすくなりました。
しかし、便利になったからこそ、基本を忘れてはいけません。
燃料を見る。
オイルを見る。
刃を見る。
ネジを見る。
安全装置を見る。
防護具を着ける。
周囲を見る。
自分の体調を見る。
便利な道具は助けになります。
でも、判断するのは人間です。
道具が良くなっても、確認する心が雑になれば危険です。
講師の朝は、その基本をもう一度確認する時間でもあります。
森の仕事人日記では、これから時々、私の趣味のジープの話も書いていこうと思います。
ただの車好きの話ではありません。
私にとってジープは、森へ向かう相棒です。
山へ行く。
道具を運ぶ。
土の道を走る。
現場へ向かう気持ちをつくる。
ログハウスや山仕事の世界観につながる。
ジープの無骨さは、山仕事の道具に似ています。
便利すぎない。
飾りすぎない。
使う人を選ぶ。
でも、頼りになる。
そういう道具には、どこか人を惹きつける力があります。
チェーンソーも、斧も、ログスクライバーも、ジープも。
私にとっては、森へ向かうための道具であり、相棒です。
ブログや写真で見えるのは、講習の本番や実技の場面かもしれません。
チェーンソーを使っている場面。
刈払機を動かしている場面。
研修生が学んでいる場面。
ログハウスを作っている場面。
でも、その前には必ず準備があります。
道具を確認する。
資料を整える。
現場を見る。
天気を見る。
受講生の人数を確認する。
安全に動けるように段取りをする。
表に見えない準備があるから、当日の講習が成り立ちます。
森の仕事は、派手な瞬間だけでできているわけではありません。
むしろ、地味な準備の積み重ねでできています。
森の仕事人日記、第1回は、講師の朝の道具確認について書きました。
朝、道具を見る。
道具を整える。
今日の授業を思い描く。
安全を確認する。
受講生の顔を思い浮かべる。
この時間があるから、講習に落ち着いて入ることができます。
林業の道具は、命を守る道具です。
講師の準備は、受講生の安全につながります。
だから私は、朝の道具確認を大切にしています。
森の仕事は、山に入ってから始まるのではありません。
森の仕事は、朝、道具を見るところから始まります。
「講師の朝って、授業が始まる前からもう始まっているんですね。
チェーンソー、刈払機、ヘルメット、テキスト、水筒。
一つひとつを確認することが、その日の安全につながる。
道具を見ることは、受講生を守る準備でもあるんだと思いました。
私も、道具を大切に扱える人になりたいです。」
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/