

2026年4月7日
うまい人を見ると、つい才能があると思ってしまいます。
でも現場をよく見ると、そうではありません。
うまい人は、よく見ています。
よく整えています。
よく直しています。
そして、同じことを丁寧に積み重ねています。
林業は、ただ頑張る仕事ではありません。
うまくなっていける仕事です。
今週は彩ちゃんと一緒に、
この「うまくなる力」を見ていきます。
うまい人は、最初からうまかったわけではありません。
見て、覚えて、失敗して、直して、またやる。
その積み重ねの中で、少しずつ今の形になっています。
未来をつくるのは、特別な才能ではなく、うまくなっていける力です。
木を見ていると、
成長とは何かを考えさせられます。
森の中の木は、急いで大きくなろうとはしません。
春が来れば伸び、
夏を越え、
秋を受け、
冬を耐える。
そうして一年ごとに、少しずつ年輪を重ねていきます。
目には見えにくいですが、
確かに育っています。
年輪は急ぎません。
でも、ちゃんと積み上がっています。
この姿は、人がうまくなっていく過程にもよく似ています。
何かがうまくなりたいと思うと、
つい早く結果を求めてしまいます。
早く覚えたい。
早く上手になりたい。
すぐ形にしたい。
その気持ちは自然です。
ですが、林業の現場ではよく分かります。
本当に身につくものは、
一日では変わりません。
足の置き方。
道具の持ち方。
力の抜き方。
木の見方。
こうしたものは、
同じように繰り返す中で、少しずつ体に入ってきます。
最初は分からなくても、
ある日ふと自然にできるようになる。
上達とは、そういうものだと思います。
急いだ成長は、浅くなりやすい。
積み上がった成長は、崩れにくい。
年輪は、木が生きた時間の記録です。
誰かに見せるためではありません。
派手にアピールするものでもありません。
ただ、毎年の積み重ねが、そこに残っています。
乾いた年もあれば、
よく育つ年もある。
傷ついた年もある。
それでも木は、途中で自分を投げ出しません。
うまくいく年も、そうでない年も、
そのまま抱えて積み重ねていきます。
だから太くなる。
だから強くなる。
人も同じなのだと思います。
上達は、順調な時だけのものではありません。
うまくいかなかった日も含めて、積み重なっていくものです。
うまい人を見ると、
最初からできたように見えることがあります。
ですが実際には、
焦らず積み上げてきた時間があります。
毎日の中で、少しずつ直す。
昨日よりひとつ良くする。
分からないことを、そのままにしない。
こういう人は、伸びます。
反対に、急いで形だけ追うと、
どこかで苦しくなります。
本当にうまくなる人は、
すぐに結果を求めるより、
続けることを大事にしている人です。
年輪が急がないように、上達もまた急がない方が強い。
木は、黙って育っています。
風に当たり、
雨を受け、
季節を越えながら、
少しずつ太くなっていきます。
その姿を見ていると、
人がうまくなっていくことも同じだと感じます。
すぐに結果が出なくてもいい。
目に見える変化が小さくてもいい。
大事なのは、積み上がっていることです。
昨日よりほんの少しでも、
自然に動けるようになっていたら、
それはちゃんと前に進んでいます。
年輪は急がない。
でも確実に、木を強くしています。
上達もまた、その形でいいのだと思います。
「私は、うまくなるって早くできるようになることだと思っていました。
でも木の年輪を考えると、少し見え方が変わります。
すぐに変わらなくても、
毎日ちゃんと積み重なっているなら、それでいいんですね。
焦らなくてもいい。
少しずつでも前に進んでいればいい。
そう思うと、なんだか気持ちが楽になりました。」
彩ちゃんの安全物語 第30話が公開されました。
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