

2025年10月3日
林業の魅力シリーズ第328弾
『森と、母と、わたしの一週間』──
自然と母娘、そして自分への旅
日々の生活の中で、「なぜ私はここにいるのか」
「自分を許せる場所はどこか」──
そんな問いを抱える読者に寄り添う一冊。
八束澄子さんの 『森と、母と、わたしの一週間』 は、
中学生の少女・野々歩が、祖母宅のある町へ向かい、
森と母親と時間を共にしながら
少しずつ自分を取り戻していく物語です。
私たち林業に関わる者にとっても、
この物語には「森との関係」「時間の重なり」
「自然との対話」というテーマが深く響きます。
あらすじと主なモチーフ
主人公は中学2年生の 野々歩(ののほ)。
友人関係のすれ違いや、父との二人暮らし、
母への複雑な思いを抱えた彼女は、
ある日「風に呼ばれるように」電車に乗り、
母方の実家がある町へ向かうことに。
祖母の遺した家で母は「森のようちえん」の
活動に関わっており、
野々歩もその子どもたちと過ごすことになります。
森の中で遊ぶ子どもたちや自然の営みが
物語の軸となります。
森の厳しさと美しさ、静かな時間の流れ、
自分と他者との対話。
この一週間は、野々歩の内側に静かに変化を
もたらしていきます。
森と林業との共鳴点
1. 森が“場”として機能する
森はただの風景ではなく、物語を紡ぐ舞台。森の空気、
木々の配置、光の入り方──そうしたものが心の風景と重なります。
2. 虚心な時間の持ち方
この物語は「何もしない時間」「待つ時間」の価値を描いています。
林業という営みも、植える・育てる・伐るという行為の間にある
“静かな時間”が大切です。
3. 自然を介して人を見つめ直す
森のこどもたちの無垢さ、母親・祖母との時間を通じて、
野々歩は自分自身の輪郭を少しずつ取り戻していく。
森の中で人が“自然の一部”として振り返る力が、
この作品の核心部分でしょう。
作品情報・読者へのメッセージ
発売:2024年10月
紀伊國屋書店
定価:1,540円(本体1,400円)
主な読者:中学生~大人も共感できるYA作品
この本は「壊れてもいい時間」
「自然の中で立ち戻る自分の場」の物語。
読後の心地よさは、
森にあるような静かな余白を胸に残してくれる。
note連載「彩ちゃんの安全物語」更新情報
2025年10月1日、noteにて最新話を公開しました!
第5話「私のチェーンソーが、木を切った──」
ついに自分で整備したチェーンソーで伐倒に挑戦する彩ちゃん。
これまでの学びがつながる“成長の瞬間”をお見逃しなく!
https://note.com/forestcollege/n/n09fdec217e61
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