コンテンツ本文へスキップ
プリローダーイメージ
スマートフォンサイトはこちら

森の仕事人日記

コンテンツタイトル下地
  • カテゴリー

  • アーカイブ

森の仕事人は「もしも」を仕事の前に考えている|防災の日に考える山の備え

2026年9月1日

森の仕事人日記 第9回・防災の日編

森の仕事人は、「もしも」の時を仕事の前に考えている

 

はじめに

今日は9月1日、防災の日です。

防災というと、

地震。

台風。

大雨。

避難所。

非常食。

そんなことを思い浮かべる人が多いと思います。

でも、山で働く人にとっての防災には、少し違う視点もあります。

森の中では、町と同じように助けを求められるとは限りません。

携帯電話がつながりにくい。

救急車がすぐ近くまで来られない。

林道が雨で通れなくなる。

現在地を説明しにくい。

だからこそ大切なのが、

何か起きてから考えるのではなく、仕事を始める前に「もしも」を考えておくこと。

です。

 


 


「何も起きない」が前提になっていないか

私たちは普段、

今日も無事に仕事が終わる。

予定通り帰れる。

携帯電話も使える。

道路も通れる。

そう思って仕事を始めます。

ほとんどの日は、その通りです。

でも山では、条件が突然変わることがあります。

雨が強くなる。

雷が近づく。

木が倒れる。

道路へ土砂や枝が出る。

誰かがけがをする。

誰かの体調が悪くなる。

こうした時に初めて、

「どこから帰ろう」

「誰に連絡しよう」

と考えるのではなく、

何も起きていない時に決めておく。

それが備えです。

 


まず「自分たちはどこにいるのか」

山の現場で意外と難しいのが、現在地です。

町なら、

住所。

建物名。

交差点。

目印。

があります。

でも森の中では、

「○○山の中です」

だけでは場所が伝わりません。

だから作業に入る前に、

どの林道から入ったか。

作業場所はどこか。

車はどこにあるか。

近くに分かりやすい地点はあるか。

を確認しておきます。

万一助けを求める時にも、

自分たちがどこにいるかを伝えられることが第一歩になります。

 


帰る道を一つだけにしない

山へ入る時は、行きのことばかり考えがちです。

でも大切なのは帰りです。

いつもの道が使えるとは限りません。

倒木。

落石。

大雨。

道路の崩れ。

状況によっては、入ってきた道を戻れないこともあります。

すべての現場で複数ルートを用意できるわけではありません。

それでも、

「ここが通れなくなったらどうするか」

を一度考えておくだけでも違います。

逃げ道は、逃げる時ではなく、その前に考えておく。

森では特に大切な考え方です。

 


携帯電話が使えるとは限らない

今はスマートフォンがあるので、

「何かあれば電話すればいい」

と思いがちです。

でも山では、場所によって電波状況が変わります。

さっきまでつながっていたのに、少し谷へ入っただけでつながらないこともあります。

だから、

どこなら連絡できるか。

誰へ連絡するか。

戻らなかった時に誰が気づくのか。

そうしたことも、仕事を始める前に考えておきます。

大切なのは、高価な装備をたくさん持つことだけではありません。

連絡する仕組みを決めておくことです。

 


雷や大雨は「始まってから」では遅いことがある

山では、天候の変化も大きな問題です。

特に夏から秋にかけては、急に空が暗くなったり、強い雨が降ったりすることがあります。

空を見る。

天気の変化を確認する。

遠くの雷の音に気づく。

そして、

「まだ大丈夫」

と限界まで続けない。

早めに作業を止める判断も必要です。

安全のために仕事を中止することは、予定を失敗させることではありません。

無事に帰るために予定を変えることも、仕事の一部です。

 


けがをした時、「誰が何をするか」

山の現場では、事故を起こさないことが大前提です。

でも防災や安全を考えるなら、

「もし起きたら」

も考えておかなければなりません。

誰が状況を見るか。

誰が連絡するか。

誰が誘導するか。

ほかの作業をどう止めるか。

全員が一斉に動いてしまうと、かえって混乱します。

事前に細かい役割まで決められなくても、

「緊急時には誰を中心に動くのか」

を共有しておくだけでも違います。

 


備えは、不安になるためにするのではない

「もしも」を考えると、危険なことばかり考えてしまいそうです。

でも、防災の目的は怖がることではありません。

むしろ反対です。

準備してあるから、落ち着ける。

帰る道を知っている。

連絡方法を知っている。

集合場所を知っている。

必要なものがどこにあるか分かっている。

すると、普段の仕事にも安心して集中できます。

備えとは、不安を増やすためではなく、不安を減らすための準備です。

 


森の仕事人は「作業前」に考える

林業で安全というと、

チェーンソー。

刈払機。

防護具。

作業姿勢。

そうしたものに目が向きます。

もちろん、それらは非常に大切です。

でも安全には、その外側もあります。

今日の天候はどうか。

帰れるか。

連絡できるか。

誰がどこにいるか。

もし何かあった時、どう動くか。

作業そのものを始める前に、一度考えておく。

この数分が、緊急時には大きな意味を持つことがあります。

 


おわりに

今日は防災の日です。

防災という言葉を聞くと、大きな災害への備えを考えます。

でも森の仕事では、もっと身近な「もしも」から考えることも大切です。

急な雨。

雷。

通れなくなった道。

通信できない場所。

けがや体調不良。

その時になって、

「どうしよう」

と考えるのではなく、

何も起きていない時に考えておく。

森の仕事人は、「もしも」の時を仕事の前に考えている。

それは心配性だからではありません。

何かが起きた時にも、できるだけ冷静に、安全な判断をするためです。

防災の日。

今日は作業道具だけでなく、

「もしもの時、自分たちはどう動くのか」

も、一度確認する日にしてみてもいいのではないでしょうか。

 


彩ちゃんのひとこと

「防災って、地震や台風の時に考えるものだと思っていました。

でも山では、携帯がつながらなかったり、いつもの道が使えなくなったりすることもあるんですね。

どこから帰るか。
誰に連絡するか。
自分たちはどこにいるのか。

何か起きてからではなく、何も起きていない時に考えておく。

それが本当の『備え』なんだと思いました。」

 

 

 

 


note更新のお知らせ(8月26日更新)

彩ちゃんの安全物語50話

『その休憩、本当に休めているか?』

noteで読む

 

 

 

※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/

※X
https://x.com/wooden_tinys

※アメブロ
https://ameblo.jp/woodendreams/entrylist.html

カテゴリ:森の仕事人日記
コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る
コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る