

2025年10月21日
林業の魅力シリーズ第339弾
植物学の父──牧野富太郎と「森林植物学」
本日は【林業の魅力シリーズ第339弾】、
火曜日恒例の「偉人」シリーズです。
今回ご紹介するのは、日本の植物学の礎を築いた
“植物学の父”──
牧野富太郎(まきの・とみたろう)博士です。
彼が植物とどのように向き合い、
日本の森の理解にどのような影響を与えたのか──
森林植物学の視点から深掘りしてまいります。
1. 高知の少年が植物博士になるまで
1862年、土佐国佐川村(現在の高知県佐川町)に
生まれた牧野富太郎は、幼い頃から植物に深い興味を持ち、
学校に通うよりも自らの足で野山を駆け回って
草木と対話してきました。
植物への情熱は人一倍強く、少年期にはすでに地元に
自作の植物園を構えるほど。
独学で文献を読み漁り、
やがて東京大学理学部植物学教室に出入りするようになります。
2. 森林植物学への貢献──森を見る目
牧野博士の業績は、草花の命名や分類学だけに留まりません。
彼は山に入り、森の中で見つかる小さな植物──
木の根元にひっそりと生きる苔や下草にまで目を配り、
森の全体像を“層”として理解していました。
これは現代の「森林植物学」や「生態系保全」の
先駆けともいえる考え方であり、
当時の学者たちには見逃されがちだった
“足元の自然”に光を当てたのです。
3. 命名した植物は1,500種以上!驚異の観察力と執念
牧野博士は、なんと1,500種類以上の植物に
名前をつけたといわれています。
“雑草”と一括りにされてしまうような名もなき草にも、
彼は一つひとつ“名”を与えました。
彼が命名した植物の中には、
「ヤマトグサ」「オオイヌノフグリ」「マキノスミレ」など、
今でも親しまれているものが多くあります。
「雑草という草はない。名もない草も、みんな命だ。」──
これは彼の代表的な言葉のひとつです。
4. 森を守る人へのメッセージ──彩ちゃんのひとこと
彩ちゃん:「森ってね、ただ木が並んでる場所じゃないんだよ。
木の根元、枝の間、地面の下にまで、小さな命があるの。
牧野先生は、そういう小さな命を一つも見逃さなかったんだって。
森のことを深く知るって、そういうことなんだよね。」
5. まとめ──“知る”ことは“守る”こと
牧野富太郎博士の功績は、今も生き続けています。
彼が植物一つひとつに注いだまなざしは、
現代の林業・自然保全・里山の暮らしに通じる普遍的な視点です。
「知ることは守ること」
私たち林業従事者も、この言葉を胸に刻み、
森と向き合い続けたいと思います。
note連載「彩ちゃんの安全物語」更新情報
2025年10月15日更新
彩ちゃんの安全物語 第7話「伐倒方向、ほんとうに合ってる?」
第7話のテーマは、伐倒方向。
山で木を伐るときに一番大切なのは、
「どこに倒すか」を的確に判断すること。
間違った方向に倒せば、
命に関わる事故にもつながりかねません。
今回は、彩ちゃんがその判断ミスの危険性を体験し、
どうやって修正したかを描いています。
学べるポイント:
地形と風の読み方
重心の取り方とクセ木の見分け方
実際の現場で起こる「想定外」への対応
「なんとなく」「たぶん大丈夫」では
通用しないのが伐倒の現場。
彩ちゃんの成長と失敗を通して、
伐倒方向の重要性を一緒に学びましょう!
森の安全は、小さな気づきの積み重ねから。
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