

2025年10月22日
林業の魅力シリーズ第340弾
鉈という道具の哲学──
チェーンソー時代に輝く原点の力
現代の林業はチェーンソーやICT、
ドローンなどの先端技術で大きく進化しています。
しかし、そんな中でも今なお現場で静かに輝きを
放ち続けている道具があります──「鉈(ナタ)」です。
鉈はただの昔の道具ではありません。
むしろ林業の“本質”を象徴する存在として、
今見直す価値があるのです。
1. 鉈とは何か──構造と用途
鉈は一見すると単純な刃物。
しかし、その形状には深い工夫があります。
用途も多岐にわたり、枝払い、下草刈り、皮むき、間伐作業、時に
山での生存術にも応用される「万能道具」。
片刃・両刃、柄の長さや重心なども使用者によって選ばれ、
まさに“身体の延長”とも言える存在です。
2. なぜ今、鉈が見直されているのか
・静音性と精密性:エンジン音が出ず、繊細な作業に適している。
・環境配慮:燃料不要、排ガスゼロ。
・技術の継承:鉈を扱うことで、木の癖、繊維の流れ、
自然の読み方が体感できる。
・サバイバルスキルとしての注目:近年のアウトドアブームで
再評価され、キャンパーやブッシュクラフターにも人気。
3. 鉈が伝える“林業の哲学”
鉈は“速さ”よりも“丁寧さ”を教えてくれます。
木と向き合う姿勢、素材を無駄にしない使い方、
そして自然との「対話」。
それはAIや機械には代替できない、人間の知覚と感性の世界です。
4. 彩ちゃんのひとこと
「私、初めて鉈を握った時、木の声が聞こえる気がしました──。
森と“対話”する、そんな感覚が味わえるのが鉈なんですね。」
技術が進歩する時代だからこそ、
原点にある“手の道具”に目を向けたい。
鉈は過去の遺産ではなく、
未来の林業に必要な“感性”を育む道具なのです。
note更新情報(2025/10/22)
彩ちゃんの安全物語 第8話「風を読む目」
未来の林業に向けて、風の動きを読む「感性」の大切さを
彩ちゃんが体験を通じて学びます。
https://note.com/forestcollege/n/nce07770c9057
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