

2025年10月28日
林業の魅力シリーズ第344弾
神社の森に息づく“榊(サカキ)”──
日本文化と林業が交わる緑の軌跡
日本の森には、ただ「木がある」と
いうだけでは語れない、文化と信仰、
そして林業のつながりを象徴する樹木があります。
その代表とも言えるのが榊(サカキ)です。
神社の玉串や祈りの場に用いられるこの木は、
林業・森づくり・地域資源としての側面も
併せ持っています。
今日はその深い世界に、目を向けてみましょう。
1. 榊とは何か?
学名:Cleyera japonica。
ツバキ科サカキ属、常緑高木。
分布:本州関東南部以西、四国・九州。
自然林の中に生育。
葉の特徴:光沢があり、厚めの楕円形。
ギザギザがないことがヒサカキとの違い。
用途:神事用の枝葉、建築材・庭木材としても価値あり。
2. 森と文化をつなぐ森の木
榊は神社林や境内に多く植えられ、「神域」と森を結ぶ存在。
ツバキ科の常緑として「栄樹」「境木」の語源説も。
和歌山県などでは産地化が進み、国産榊として流通も展開。
3. 林業視点で見る榊の価値
材の性質:堅硬で比重が高く、乾燥性・耐久性にも優れる。
林業・特用林産としての可能性:
花枝・玉串材・神事用枝物市場という特殊用途の存在。
地域資源としての活用:森に植え育てる森づくり、
林地所有者との連携が鍵。
4. 彩ちゃんのひとこと
「森の奥に立つ一株の榊が、
日常と祈りと林業とをつないでいたんだ…。
緑の中で、木が“ここにある理由”を語ってくれるみたい。」
榊は、ただ神事のための木ではありません。
森の中で育ち、地域を支え、
林業の視点からも価値ある資源なのです。
文化・森・産業、その三つをつなぐ木を
理解することは、私たちが未来へ森を
引き継ぐうえでの大切なヒントになります。
note更新情報(2025/10/22)
彩ちゃんの安全物語 第8話「風を読む目」
未来の林業に向けて、風の動きを読む「感性」の大切さを
彩ちゃんが体験を通じて学びます。
https://note.com/forestcollege/n/nce07770c9057
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