2024年7月15日
樹木の水管理能力とその重要性
林業の魅力シリーズ第29弾として、
今回は『樹木たちの知られざる生活』から
「樹木の水管理能力とその重要性」についてご紹介します。
樹木がどのようにして水を管理し、利用しているのか、
その驚くべき仕組みを深掘りしていきます。
樹木の水管理の基本
樹木は地中から水分を吸収し、葉や枝に供給します。
この基本的なプロセスは、「蒸散」と呼ばれる現象によって行われます。
蒸散は、葉の表面にある気孔から水蒸気が放出されることで起こります。
このプロセスは、樹木が水を取り入れるだけでなく、
気温調節や栄養の運搬にも重要な役割を果たしています。
キャピラリ効果と水の上昇
樹木の内部には「木部」と呼ばれる部分があります。
この木部は細長い管の集まりで、キャピラリ効果により水を根から上昇させます。
キャピラリ効果とは、狭い管の中を液体が上昇する現象のことです。
樹木はこの効果を利用して、
高さ数十メートルにも及ぶ大木でも水を頂上まで運ぶことができるのです。
水ストレスとその影響
樹木が十分な水分を吸収できない状態を「水ストレス」と言います。
水ストレスが続くと、樹木は葉を落としたり、成長が遅れたりします。
最悪の場合、枯死に至ることもあります。
樹木が健全に成長するためには、適切な水分管理が欠かせません。
水の再利用と保護
樹木は一度吸収した水分を効率的に再利用する能力も持っています。
例えば、樹木は自分の葉から落ちた水分を再び根から吸収することができます。
また、樹木が密集して生えている森では、水分が土壌に留まりやすくなるため、
乾燥を防ぐ効果もあります。
こうした水の再利用と保護の仕組みは、森林全体の健康を支える重要な要素です。
樹木と地下水の関係
樹木は地下水とも深い関係があります。
特に深根性の樹木は、地表からは吸収できない深層の地下水を利用することができます。
この能力により、乾燥した地域でも生き延びることが可能です。
樹木が地下水を吸収することで、地下水の循環が促進され、
全体の水資源が保護されるという相乗効果もあります。
※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス
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