2024年7月14日
菌類の驚異と共生の秘密
森林の中には、目に見えない力が働いています。
その一つが菌類のネットワークです。
菌類は、単なる土壌の一部や朽ちた木材に生える存在ではなく、
実は森林の健康と成長に不可欠な役割を果たしています。
今回は、菌類の凄さとトリビアについて詳しく見ていきましょう。
菌根菌との共生
樹木と菌根菌の共生は、森林エコシステムの基盤を支える重要な関係です。
樹木の根と菌根菌が結びつくことで、菌根菌は土壌からミネラルや水分を吸収し、
樹木に供給します。
樹木はその見返りに、光合成で得た糖分を菌根菌に提供します。
この相互関係により、樹木は栄養を効率的に吸収し、成長を促進します。
ウッドワイドウェブ
「ウッドワイドウェブ」とも呼ばれる菌類のネットワークは、
樹木同士が情報や栄養を交換するための重要な役割を果たします。
例えば、ある樹木が病気にかかると、他の樹木に警告信号を送ることができます。
このネットワークによって、森林全体が協力し合い、健康な状態を保つことができます。
助け合いの精神
樹木は互いに助け合うことで、より健康で強い森を形成します。
例えば、古い切り株が生き続けるために、周囲の樹木が栄養を供給することがあります。
この助け合いの精神は、樹木が単なる個体ではなく、
コミュニティの一部であることを示しています。
驚異の巨大菌類:オニナラタケ
世界で最も大きな生物は、アメリカのオレゴン州にある「オニナラタケ」という
キノコの菌糸体です。
この菌糸体は約8.9平方キロメートル(東京ドーム約684個分)にわたって広がっており、
推定重量は600トン、推定年齢は2400歳とされています。
この巨大な菌糸体は、地中で広がりながら栄養を吸収し、
同じDNAを持つキノコを地表に生やします。
つまり、広範囲にわたるキノコがすべて同じ個体であるということです。
菌類は森林の健康と成長に欠かせない存在です。
菌根菌との共生やウッドワイドウェブ、樹木同士の助け合い、
そして驚異的な巨大菌類の存在など、自然界の菌類が持つ驚異的な力と役割に驚かされます。
林業の魅力は、こうした見えない自然の力を理解し、活用することにもあります。
興味を持った方は、ぜひ一緒に学び、自然の驚異を体験しましょう。
※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス
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