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林業の魅力シリーズ

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三本杉伝説とは?神話に宿る森の記憶と林業との関係

2025年8月7日

林業の魅力シリーズ 第291弾

 

三本杉伝説と森の記憶-神話と林業の交差点

 

 

 

森に宿る「神話」の記憶

 

森を歩いていると、ふとした風の音や揺れる木々の姿に、

 

何か神秘的な存在を感じることがあります。

 

 

日本人は古来より、森を単なる資源としてではなく、

 

神々が宿る場所、精霊が住まう聖域として敬ってきました。

 

その象徴とも言えるのが、各地に伝わる「三本杉」の伝説です。

 

 

本日は、日本の林業文化の中に息づく神話と森との関係を、

 

「三本杉」というキーワードから掘り下げてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

三本杉の伝説とは?

 

日本各地に「三本杉」と呼ばれる巨木群が存在します。

これらは偶然ではなく、神社仏閣の参道や村の入口など、

結界的な役割を担う場所に植えられてきたものです。

 

熊野三山では、三本杉は三柱の神を表し、「山を守る柱」とされました。

長野の山村では、「三本杉を目印に助かった旅人」の伝説が今も語られています。

九州の霊山では、「三本杉の下では風が止む」と言われ、

神の息吹が宿る場所として祀られてきました。

 

このように、三本杉は単なる景観ではなく、

文化的・精神的な意味を持った“森の象徴”だったのです。

 

 

 

「三」に宿る意味とバランスの思想

 

なぜ「三本」なのか?

実はこの「三」という数字には、日本古来の宗教観や美意識が色濃く反映されています。

 

神道では「三柱の神」を尊ぶ。

仏教では「三尊像」が中心。

山岳信仰でも「三霊峰」や「三大神」を祀る例が多い。

 

これは、バランスと調和、そして包み込む力を象徴する“三位一体”の思想です。

三本の木が立つことで空間が整い、そこに神聖さを感じるという感覚は、

今も私たちの心の中に根づいているのかもしれません。

 

 

 

林業と神話の交差点

 

私たちは今、伐って植えて育てる「現代の林業」に生きています。

機械化、効率化、数値管理が求められる一方で、

森が持つ精神的な豊かさを忘れがちです。

 

だからこそ、こうした伝説や神話は、

林業に関わる者にとっても大切な「教科書」だと思います。

 

たとえば、伐採前にその木がどれだけの年月を生きたのか、

どんな伝承があるのかを知ることで、森への敬意や責任の重さが増すはずです。

 

林業とは「森を使いながら、森を守る仕事」。

そして、森の文化を未来へとつなぐ役割でもあるのです。

 

 

 

私たちが継ぐ森の記憶

 

「三本杉伝説」は、ただの民話ではありません。

それは、日本人と森とのつながりの記録であり、

森に対する畏敬の心の象徴です。

 

私たち林業従事者もまた、技術だけでなく、

このような文化的記憶を胸に刻んで仕事をしていく必要が

あるのではないでしょうか。

 

これからも「森の記憶」としての神話や伝説をたどりながら、

林業と文化の交差点を歩んでいきたいと思います。

 

 

※フォレストカレッジホームページ

https://www.young-leaves.com/

※X

https://x.com/wooden_tinys

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