

2025年7月21日
林業の魅力シリーズ 第278弾
キノコが森を救う?
マイコレメディエーションによる
森林再生の可能性
2025年7月21日(月)。
「林業の魅力シリーズ」も第278弾を迎えました。
本日は、未来の林業において欠かせない
キーワードとなるかもしれない、
菌類(キノコ)を使った森林再生技術をご紹介します。
マイコレメディエーション(Mycoremediation)とは?
聞きなれない言葉かもしれませんが、
「マイコレメディエーション」とは、
菌類(特にキノコの仲間)の力で環境を浄化・再生する
技術のことです。
語源は:
「Myco(菌)」+「Remediation(修復)」=菌による環境修復
キノコの菌糸体は、森の“ネットワーク・エンジニア”
キノコの地下には、
目に見えない菌糸体(マイセリウム)が広がっています。
この菌糸体は、以下のような働きを持ちます:
木々の根と共生し、栄養のやりとりを助ける
重金属や有害物質を分解・吸着する能力を持つ
地中の微生物バランスを整え、土壌の健康を回復させる
枯木・倒木・伐根を効率よく分解し、有機物へと戻す
まさに、菌糸体は森の見えない医者・調整役・通信網とも
言える存在です。
実際にどう活用されているのか?
① 土壌改良・表土の回復に
伐採後に裸地化した斜面や林道沿いに、
木材チップ+キノコの菌糸体を撒布し、
緑化と微生物活性化を促す試みが進行中。
② 汚染物質の分解
旧製材所や木材防腐剤使用跡地などにおいて、
キノコ菌がクレオソートや重金属を分解する研究が欧米で進行。
③ 伐根・残材の分解促進
森林施業後の伐根や太枝に、食用きのこの菌を接種。
分解しながら土に還しつつ、
収穫も期待できる二重活用が研究段階へ。
日本の林業での応用は?
すでに一部の研究機関では、ヒラタケ・ナメコ・キクラゲなどの
在来種菌糸体を活用し、土壌改良や荒地再生、放置人工林の
リカバリーに応用する事例が出始めています。
特に埼玉県や長野県など、中山間地の再生や放棄地の活用において、
キノコの力は注目を集め始めています。
未来の林業は、土の中から始まる
これまで林業は「伐って育てる」が主軸でしたが、
これからは「土を育てて、森を蘇らせる」という発想が
重要になります。
その鍵を握るのが、
目に見えない存在-キノコたちかもしれません。
菌類と人類が手を取り合う時代、
林業もまた、新たなステージに進みつつあるのです。
※フォレストカレッジホームページ
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