

2025年12月16日
林業の魅力シリーズ第376弾
モミはなぜ神社や深山に残されたのか?
日本の森で“静かに天を支えた木”
山道を歩いていると、
まっすぐ天に向かって立つ、
ひときわ静かな木に出会うことがあります。
派手さはない。
香りも強くない。
でも、不思議と目が離れない。
それが モミ です。
この木は、なぜ日本の森や神社のそばに、
静かに残されてきたのでしょうか。
モミは「目立たない針葉樹」
モミは、
日本の山地に広く分布する常緑針葉樹です。
樹形はまっすぐ
枝は水平に広がり
成長はゆっくり
スギやヒノキのように、
林業の主役として大量に植えられてきた
木ではありません。
けれど、
自然林の中では、
森の構造を下から支える存在として、
確実にその役割を果たしてきました。
なぜ神社や深山に多いのか
モミは、神社の境内や、
人の手があまり入らない深山で
見かけることが多い木です。
それには理由があります。
材はやや柔らかく、耐久性は高くない
建築材の主役にはなりにくい
でも、軽くて扱いやすく、
箱材や板材として使われてきた
つまりモミは、
「積極的に伐られる理由も、
強く残される理由も少なかった木」
だったのです。
その結果、
人の欲から少し距離を保った場所に、
静かに立ち続けることになりました。
モミが教えてくれる、
これからの森との付き合い方
モミは、
増えすぎることもなく、
減りすぎることもなく、
長い時間をかけて森の中に存在し続けてきました。
それは、
人が 「管理しすぎなかった」 からとも言えます。
これからの林業では、
すべてをコントロールするのではなく、
木の性格に合わせて関わり方を選ぶことが、
ますます大切になっていきます。
モミは、
「手を入れすぎないという判断」も、
立派な林業であるということを、
静かに教えてくれている木なのかもしれません。
目立たず、前に出ず、
それでも森の中で、
確かに役割を果たし続けてきたモミ。
林業は、
伐る木だけで成り立っているわけではありません。
残す木、見守る木、任せる木があってこそ、
森は続いていきます。
彩ちゃんが、
まっすぐ立つモミを見上げて、ぽつりと。
「…何もしない選択も、森を守る仕事なんですね」
note更新のお知らせ
彩ちゃんの安全物語 第15話が公開されました。
『判断が試される瞬間』
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