

2025年11月29日
ログハウス講座 専門知識編 vol.61
木の正体──木はどんな素材なのか?
自然と地球のしくみを支える存在
ログハウスを語るとき、
「木って実はどんな素材なのか?」
という一番大切な部分が、意外と知られていません。
木はただの“建材”ではありません。
地球とつながり、空気をつくり、CO₂を固定し、
生き物としての歴史を持つ素材です。
今日は、研修テキスト「木を科学する」から、
その根本となる“木の正体”をわかりやすく解説します。
1. 木は「空気」を材料にしている
木の幹をつくっている材料は、実は土ではありません。
大気中の炭酸ガス(CO₂)を吸って、
太陽のエネルギーで固体に変えたものです。
木の中には、
セルロース
リグニン
という、自然界の超高性能な構造物質が詰まっています。
そして木は成長の過程で
大量のCO₂を炭素として固定します。
ログハウスを建てるということは、
巨大な“炭素の貯金箱”を森から受け継ぐことでもあります。
2. 伐っても植えれば炭素は増えない──
「差し引きゼロ」の本質
木は伐採されても、その材が燃やされない限り炭素を
固定し続けます。
そして伐った分だけ植えれば、またCO₂を吸う木が増える。
この循環を守れば、
森林活用はCO₂を減らす力を持った
“地球に優しい産業”になるのです。
スウェーデンが木材に炭素税をかけない理由も、
まさにこの「差し引きゼロ」の考えにあります。
3. 木材はエネルギー消費が少ない“エコ素材”である
木製サッシとアルミサッシを比較すると、
製造時の炭素放出量はなんと…
木製サッシはアルミの1/30
という衝撃的な差。
さらに木製サッシを燃やしたとしても炭素量は 1/9。
木は製造にもエネルギーが少なく、
使い終わったあともチップ・紙・ボード・燃料と
最後まで使いきれる素材です。
木材は、
「使えば使うほど地球にやさしい」
という珍しい建築資材なのです。
4. 木材のライフサイクルは“命の循環”そのもの
木は、他の建材と違い、完全な循環資源です。
テキストにある木材のライフサイクル:
発芽 ↓
育林・造林 ↓
樹林 ↓
伐採 ↓
運搬 ↓
製材 ↓
建築 ↓
解体 ↓
再利用 ↓
チップ・紙・燃料へ
森から生まれ、暮らしを支え、
最後は土に還る、エネルギーになる。
ログハウスは、このサイクルの中に
まっすぐ位置する“自然な家”なのです。
まとめ
木は“自然の贈り物”と言われますが、
その意味は単なる情緒ではありません。
木はCO₂を固定し、地球を守り、
最小限のエネルギーで建材になり、
最後はまた役立つ形に生まれ変わる。
つまり
木は、自然界がつくり上げた最強の循環素材なのです。
次回の vol.62 では、
「木は強いのか、弱いのか?──強度・燃え方・耐久性」
について解説します。
ログハウスの価値が、一段深く“腹に落ちる”内容になります。
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