

2026年8月22日
HAL散歩8月、5日目。
今日が今回の新潟病院でのHALリハビリ最終日です。
午前9時から肩HAL。
本来は午前10時からHAL散歩の予定でしたが、病院側の予定変更で午前11時からになりました。
いつもなら退院して埼玉へ戻り、疲れた身体で写真や動画を整理してブログを書きます。
でも今回は、病院にいる間にDay5の記事まで完成させてから帰ることにしました。
退院時間を少し後ろへずらせばいい。
無理をして予定通りに動く必要はありません。
考えてみれば、これも今回のHAL散歩で学んだ、
「無理をする前に、一度止まる」
という考え方と同じなのかもしれません。
今日の最初のリハビリは肩HALでした。
今回は、ランプがよく見える角度から動画も撮ってみました。
肩HALでは、腕を動かそうとする筋肉の信号に合わせてランプの色が変わります。
今日、あらためてスタッフさんに確認しました。
腕を上げようとする屈曲では赤。
そこから腕を下げる動きへ切り替わっていく途中のニュートラルでは緑。
そして腕を下ろし、力を抜いていく伸展では青。
つまり、
赤 → 緑 → 青
と変化していきます。
肩HALのランプが見える角度から撮影しました。腕を上げる屈曲は赤、動きが切り替わるニュートラルは緑、腕を下ろす伸展は青。筋肉の働きの切り替わりを色で確認できます。
これまで私は、
腕を上げる=屈曲。
腕を下げる=伸展。
という二つの動きで考えていました。
でも、その間にはニュートラルがあります。
上げる動きから、下げる動きへ切り替わる瞬間です。
歩行でも同じなのかもしれません。
着地した。
次の脚を出す。
その二つの間には、
体重を足裏へ乗せる時間があり、
母趾球付近まで荷重を移す時間があり、
後ろ脚を残す時間がある。
その切り替えの一瞬がとても大切です。
歩くことも腕を上げることも、単純な二つの動作ではありません。
その間にある「切り替わる時間」まで含めて一つの動きなのだと思いました。
予定より1時間遅れて、午前11時からHAL散歩が始まりました。
今日も基本方針は変えません。
疲れる前に休む。
7月から続けてきた作戦です。
以前の私は、リハビリなのだから少しでも長く歩きたいと思っていました。
まだ歩ける。
もう少し行ける。
そう思って距離を伸ばします。
ところが、疲れてくると脚だけでは身体を支えられなくなります。
腕で歩行器を強く押さえる。
肩が上がる。
上半身が固くなる。
歩き方そのものが崩れていきます。
そこで、7月から考え方を変えました。
疲れて歩けなくなってから休むのではなく、疲れて歩き方が崩れる前に休む。
これを8月も続けました。
「疲れる前に休む」といっても、ただ頻繁に休めばいいわけではありません。
私にとって大切なのは、
3分程度休めば、もう一度よい状態で歩き始められる距離に抑えること
です。
長く歩き過ぎれば、3分休んでも疲れは戻りません。
身体が完全に疲れ切る前に戻る。
3分ほど休む。
そして、また良い状態から歩き始める。
これを繰り返します。
この方法に変えてから、腕への依存はかなり少なくなりました。
もちろん、疲れが出れば今でも腕に頼ります。
でも、
腕に頼る状態になる前に止める
ことができるようになりました。
これは私にとって、かなり大きな変化です。
これまでのHAL入院には、私なりの疲労のパターンがあります。
月曜日は、埼玉からの移動や評価。
火曜日はまだその疲れが残る。
水曜日あたりに身体の調子が一番良くなる。
そして木曜日、金曜日になると、今度は連日のHALリハビリによる疲労が出始める。
今回も、水曜日は非常に調子が良く、
「HALと一緒に歩いている」
という感覚がありました。
木曜日、金曜日になれば、当然少し疲労は出てきます。
でも今日、金曜日の疲れは、
これまでのHAL入院の最終日の中で、一番少ないように感じました。
完全に疲労がなくなるわけではありません。
それでも、6月までのように、
「昨日の疲れを今日まで引きずる」
という感じが明らかに少なくなりました。
それはやはり、
疲れる前に休む
という作戦の効果が大きいのではないかと思っています。
今週ずっと意識してきた歩き方があります。
後ろになった脚をすぐに抜かず、
つま先を最後まで残すこと。
昨日は、
「残す。でも、残しすぎない」
を意識しました。
今日も同じです。
ただ、ここは正直に書いておきたいと思います。
まだ私は、
「今の一歩はできた」
と毎回はっきり分かるわけではありません。
うまく残せたように感じる一歩もあります。
「あれは違ったな」と感じる一歩もあります。
自分で、
「これで完全に分かった」
と言えるところまでは来ていません。
でも、それでいいと思っています。
今までは、何ができていないのかさえ分からなかった。
今は、
「できた感じ」
と
「できなかった感じ」
の違いを探しています。
それだけでも前進です。
8月に入ってから、もう一つ強く意識していることがあります。
足を前へ出すのではなく、股・骨盤から身体を前へ運ぶ。
この意識は、私には合っているように思います。
脚だけを何とか前へ振り出そうとすると、身体とHALのタイミングが合わなくなります。
身体そのものを前へ運ぶ。
すると、その動きについて脚が出る。
ただし、これもやり過ぎると問題があります。
股・骨盤を前へ出そうと意識し過ぎると、
お腹だけを前へ突き出すような姿勢
になってしまうことがあります。
骨盤を前へ運ぶことと、腹部を突き出して身体を反らすことは違います。
ここも、まだ練習中です。
つま先を残す。
でも残しすぎない。
骨盤を前へ。
でもお腹だけを突き出さない。
こうして書くと、本当に細かい話です。
でも、このわずかな違いが歩き方を変えます。
8月最後のHAL散歩を近い位置から撮影しました。「完成した歩き」を見せる動画ではありません。つま先を残すタイミング、骨盤の前方移動、腕への依存など、今後も確認していきたい自分自身の歩行記録です。
今日撮った動画は迫力があります。
HALの動きが近くに見え、歩いている様子がよく分かります。
でも私は、この動画を、
「こんなに上手に歩けました」
という証拠にするつもりはありません。
むしろ逆です。
つま先を残すタイミングはどうだったのか。
残しすぎていないか。
骨盤は身体ごと前へ進んでいるのか。
お腹だけを突き出していないか。
疲れて腕へ頼り始めていないか。
あとから自分で見返すための記録です。
HAL散歩を続けていると、一回一回の歩きが実験のように感じることがあります。
うまくいけば、なぜうまくいったのか考える。
うまくいかなければ、どこが違ったのか考える。
そして翌日、また試す。
その繰り返しです。
8月のHAL散歩は、月曜日の歩行評価から始まりました。
2分間歩行は123m。
7月より7m伸びました。
これは素直に嬉しい数字でした。
ただし、その日の午後は身体が非常に重く、筋肉の電位にも乱れがありました。
火曜日。
疲労が少し抜けると、昨日とはまるで違うように自然に歩けました。
水曜日。
8時間近く眠れ、HALと一緒に歩いているような感覚がありました。
木曜日。
その良い感覚をもう一度再現しながら、
「つま先を残す。でも、残しすぎない」
を意識しました。
そして今日、金曜日。
今週の新しい記録を狙うのではなく、
良い状態のまま5日間を終える
ことを考えました。
5日間を振り返って、一番大きかったのは123mではないかもしれません。
もちろん、7m伸びたことは嬉しいです。
でも、もっと今後につながりそうなのは、
「疲れる前に休む」
という考え方です。
以前は、
頑張る=長く歩く。
そんなところがありました。
今は少し違います。
良い歩き方を続けられるところまで歩く。
崩れる前に休む。
回復したら、また良い状態で歩く。
これなら、無理な歩き方を身体へ繰り返し覚えさせずに済みます。
そして何より、
翌日に疲れを残しにくい。
今回の金曜日の身体が、それを教えてくれました。

「チーム柏崎」。HALの治験時代から、ずっと一緒に歩んできたメンバーです。HALという機械だけではなく、こうして長く身体を見続けてくれる人たちがいるから、安心して一歩を積み重ねることができます。
今回の最後の写真は、
「チーム柏崎」
です。
治験の頃から長く一緒にHALリハビリに関わってくれているメンバーです。
このブログではHALというロボットをたくさん取り上げています。
筋電位。
モーター。
屈曲。
伸展。
荷重。
歩行。
でも、HALがそこに置いてあるだけでは私は歩けません。
その日の身体を見てもらう。
電位を確認する。
HALを調整する。
歩きながら声をかけてもらう。
違和感があれば止まる。
そして一緒に、
「今日はどうだったか」
を考える。
HAL散歩は、
人と機械と患者の身体
この三つがそろって初めて成り立つものだと思います。
長く一緒に身体を見てくれるスタッフの皆さんには、本当に感謝しています。
HAL散歩8月Day5。
これで8月のHALリハビリは終了です。
月曜日の2分間歩行123m。
そこから始まった5日間でした。
数字は伸びました。
HALと一緒に歩いているような感覚もありました。
つま先を残すこと。
骨盤を前へ運ぶこと。
まだ完全にはできません。
「これだ」と確信を持てない一歩もたくさんあります。
でも今回、
疲れて歩きが崩れる前に休む
という方法は、自分の中でかなり形になってきました。
完全に疲労をなくすことはできません。
それでも、翌日まで疲れを残しにくくする。
腕に頼る前に休む。
良い状態で、また歩く。
この作戦は、これからのHAL散歩でも続けていきたいと思います。
歩ける人には、歩くことは当たり前です。
でも私にとっては、その当たり前を一つひとつ分解し、考え、試し、身体に覚えさせていくことがリハビリです。
だから同じようなことを、何度も書きます。
でも、同じ一歩は一つもありません。
8月のHAL散歩も、また次につながる一週間になりました。
「チーム柏崎」の皆さん、新潟病院の先生方、看護師さん、PTさん、OTさん、スタッフの皆さん。
今回も本当にありがとうございました。
また次の一歩へ。
HAL散歩8月、終了です。