

2026年2月6日
林業は、技術の仕事です。
木を読む力。
道具を扱う力。
判断する力。
どれも欠かせない。
でも長く現場に立っていると、
ひとつ、はっきり分かることがあります。
技術だけでは、この仕事は続かない。
今日は、
私の背中をずっと支えてくれている一冊、
田坂広志さんの『仕事の思想 なぜ我々は働くのか』の話です。
正直に言うと、
私は田坂広志さんの大ファンです。
YouTubeの講話はほとんど見ました。
大病を経験し、
一度どん底まで落ち、
そこから自分の力で立ち上がった人。
だから、言葉に重みがある。
私は今、
脊髄性筋萎縮症という難病と向き合っています。
正直、しんどい日もあります。
それでも現場に立ち続けられているのは、
田坂さんの言葉に何度も背中を押してもらったからです。
この本は、
「参考になった一冊」ではありません。
私を立たせてくれた一冊です。
だから今日、この話を書いています。
若い頃の私は、
「早く上手くなりたい」と思っていました。
誰より早く伐れて、
誰よりきれいに片付けられて、
誰より効率よく動ける。
それがプロだと思っていた。
でも現場で長く残っている人は、
少し違っていました。
作業は派手じゃない。
口数も少ない。
でも、
準備を怠らない。
危険を甘く見ない。
絶対に無理をしない。
いつも同じ姿勢で、淡々と仕事をする。
そして気づきました。
林業は「うまさ」より「構え」で決まる。
これが現場の現実です。
『仕事の思想 なぜ我々は働くのか』の中に、
こんな言葉があります。
「仕事とは、生き方そのものである」
読んだとき、
胸を打たれました。
ああ、だから林業は軽くできないんだ、と。
この仕事は、
お金のためだけでも、
技術のためだけでもない。
「どう生きるか」を、毎日選び続ける仕事だ。
だから、
準備を怠らないし、
仲間を置き去りにしないし、
危険をごまかさない。
全部、生き方の問題なんだと思います。
私はいつも言っています。
安全 > 技術 > 効率
この順番が崩れた瞬間、事故は起きる。
でも最近、さらに思うんです。
そのもっと手前にあるのが、
「覚悟」じゃないかと。
今日も全員で帰る覚悟。
事故を出さない覚悟。
最後まで責任を持つ覚悟。
これが腹の底にないと、
どんな安全対策も形だけになる。
そして結局、ここに行き着きます。
安全は、技術ではなく「姿勢」だ。
林業は、
心の在り方がそのまま結果になる仕事です。
森に立つと、
ごまかしが効きません。
手を抜けば、すぐに返ってくる。
気持ちが乱れれば、すぐに危険になる。
だから林業は、
人間の本質がそのまま出る。
私は、こう思っています。
仕事は、作業じゃない。生き方だ。
この本を読み返すたび、
もう一度、背筋が伸びます。
今日も静かに森に入る。
林業は、
そんな姿勢から始まる仕事だと思っています。
note更新のお知らせ(2月4日更新)
彩ちゃんの安全物語 第22話が公開されました。
『止めたあと、どうする?』
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/