

2026年2月11日
水曜日は「道具」の日。
チェーンソーでもなく、
重機でもなく、
腰袋でもない。
今日は、
目には見えない道具 の話を書きます。
それは「段取り」。
林業で一番大事なのは何かと聞かれたら、
私は迷わずこう答えます。
「段取りです」 と。
不思議なもので。
事故が起きる現場は、
作業中に原因があるように見えて、
本当はその前にすでに決まっています。
動線が整理されていない
役割が曖昧
道具が散らかっている
焦って始める
こういう現場ほど、ヒヤッとする。
逆に。
静かな現場ほど安全です。
始まる前から、
どこか整っている。
道具が並び、
順番が決まり、
全員が同じ景色を見ている。
その時点で、もう半分終わっている。
私はそう思っています。
山に着いて、
私が最初に出すのはチェーンソーではありません。
タブレットでもない。
腰袋でもない。
まずやるのは、
今日の動線を確認する
危険木を見る
足場を歩く
役割を決める
道具を並べる
ただ、それだけ。
でもこれが、
いちばん効く。
段取りができている日は、
仕事が驚くほど静かに進みます。
無駄な声がない。
焦りがない。
怪我もない。
森と呼吸が合っている感じがします。
段取りって、
実は心の準備なんだと思います。
急いでいる日は雑になる。
気持ちが乱れている日は忘れ物をする。
でも、道具を一つ一つ並べていると、
自然と気持ちが整ってくる。
砥石で刃を研ぐ時間と似ています。
無心になる時間。
林業って、
こういう「整える時間」の積み重ねなんでしょうね。
だから私は思うのです。
段取りこそ、最強の道具だ と。
技術がある人はたくさんいます。
力の強い人もいます。
でも、本当に安心できる人は、
例外なく段取りが丁寧です。
静かに準備して、
静かに始めて、
静かに終える。
派手さはないけれど、
その人の現場は、いつも安全です。
林業の道具はたくさんあります。
でも一番大事なのは、
きっとこれ。
「段取り」という、目に見えない道具。
今日も山に入る前、
私はまずそれを整えるところから始めます。
note更新のお知らせ(2月11日更新)
彩ちゃんの安全物語 第23話が公開されました。
『その空気、読んでいないか?』
※フォレストカレッジホームページ
https://www.young-leaves.com/