

2025年11月14日
林業の魅力シリーズ第355弾
日本の林業を立体的に理解する一冊──
『Forestry and the Forest Industry in Japan』
で広がる森の視野
金曜日は林業、森、自然にまつわる本の紹介。
今日の彩ちゃんは、分厚い英語の本を小脇に抱えて、
にこっと笑っていました。
「先生、この本、読みごたえすごいですけど…
森の仕組みが“ひろがる”感じがします!」
その本のタイトルは
『Forestry and the Forest Industry in Japan』。
日本の林業と木材産業を、歴史から政策、
産業構造まで丁寧にひも解いた
“総合ガイド”のような一冊です。
英語ですが、内容はとても実務的。
林業に関わる人なら、一度は開いてみる価値があります。
① 日本の林業を「外から見る」力が身につく
日本で林業をしていると、
どうしても国内視点だけになりがちです。
この本は、日本の林業を “海外からの視点” で
捉え直しています。
彩ちゃんも「日本の林業って、
こういうふうに説明されるんだ…!」と驚いていました。
外からの視点を知ることで、
・なぜ日本では人工林が多いのか
・なぜ木材自給率が上がりにくいのか
・どうして林業の構造がこうなっているのか
といった疑問が、とてもクリアになります。
② 歴史 × 産業 × 政策、全部を“つなげて”読める本
この本の面白いところは、単なる歴史書でも、
産業分析でも、政策本でもないという点です。
それらが「一本の線」でつながっている。
たとえば…
●江戸時代の森林政策
●戦後復興での拡大造林
●木材自由化
●現在の木材産業の課題
これらが「流れとして」理解できるのです。
彩ちゃんは付箋を貼りながら読み進めて、
「林業って、木だけじゃなくて、
人と社会の歴史そのものなんですね」としみじみ。
③ 現代の林業に活かせる“比較の視点”
英語で書かれていることもあり、
国際比較の視点がとてもわかりやすく整理されています。
●日本の林業の強み
●世界と比べた課題
●これから改善できるポイント
ログハウスを建てるときも、森林経営を教えるときも、
「森を見る角度」が増えるのはとても大きな強みです。
彩ちゃんは
「これ、学んだことを現場で話したら喜ばれそう!」
と笑顔。
まさに“現場に持っていける知識”が詰まった本だと言えます。
森のことを知れば知るほど、
「日本の林業って、こんなにも奥深いんだ」と気づきます。
木の香りだけでなく、
森を支える仕組み、産業、歴史、政策……
たくさんの要素が重なって、
今日の一本の丸太につながっている。
『Forestry and the Forest Industry in Japan』は、
その「森の全体像」をやさしく照らしてくれる一冊です。
彩ちゃんは本を閉じて、焚き火の前でぽつり。
「森って、読むほどに面白くなりますね。」
森の本は、森を歩くのと同じ。
ページをめくるたびに、視野が広がる。
そんな金曜日になりました。
note最新記事のご案内
彩ちゃんの安全物語 第11話が公開されました。
彩ちゃん、指示のむずかしさを知る
― 「初めての現場リーダー任命!?」 ―
※フォレストカレッジホームページ
※X
※アメブロ