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林業の魅力シリーズ

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香りの木を知る──林業・森・植物が支える“香水の物語”

2025年10月31日

林業の魅力シリーズ第347弾

 

香りに導かれ、森の本質へ──

 

『香りの起源を求めて』が語る植物と人の絆

 

 

 

「香り」――それは私たちの日常に密かに、

 

しかし確かに存在するものです。

 

 

その香りの多くは、

 

森が育む植物から生まれています。

 

 

本日は、「香りの起源を求めて 

 

香水を支える植物18の物語」

 

(ドミニーク・ローク著/門脇仁訳)という

 

一冊を通じて、森、林業、そして植物資源が

 

「香り」とどうつながっているのかを紐解きます。

 

 

門脇さんとのご縁も交えて、

 

林業の現場にいる私たちだから感じられる視点で

 

紹介していきましょう。

 

 

 

 

 

 

「香り」は記憶の扉

 

森を歩いていて、ふと鼻腔をくすぐる香りに懐かしさを

感じたことはありませんか?

 

木肌の香り、落ち葉の湿った匂い、

切り株から漂う青々とした芳香──。

 

それらは単なる“匂い”ではなく、

植物が何万年と紡いできた進化のメッセージ。

そしてそれに耳を傾けてきたのが人間の歴史でもあります。

 

 

 

今回ご紹介する書籍:

 

『香りの起源を求めて――香水を支える植物18の物語』

著:ドミニーク・ローク 

訳:門脇仁(築地書館)

出版社:築地書館

 

 

 

森を知る者にはたまらない、

精緻で濃密な植物エピソード

 

本書に登場する植物たちは、

いずれも人類が「香り」として受け止め、

「使ってきた」存在。

 

例えば──

サンダルウッド(ビャクダン):寺院の香に使われ、

心を鎮める力を持つ。

 

ラブダナム:古代エジプトのミイラの防腐にも

使われた神秘的な香り。

 

ベンゾイン(安息香):樹脂から立ちのぼる甘さが、

今も香水のベースに生きている。

 

どの植物にも、地球上のどこかで林業に関わる人々が関わり、

木を育て、採取し、命を活かしてきた軌跡が見えます。

 

 

 

林業者の視点で読むと──

「香り」は資源であり、文化である

 

私たち林業に関わる者にとって、

香りは単なる“いい匂い”ではなく、

木の状態、季節、樹種の違いを知る感覚のひとつでもあります。

 

カラマツを伐ったときのツンとした香り。

ヒノキの皮を剥ぐ瞬間の、ふわっと広がる爽やかさ。

そして時には、伐倒前の樹木が風に乗せて放つ、

微かな“別れ”の香りさえあるのです。

 

本書の内容は、そんな林業的な感性と深く共鳴します。

 

 

 

門脇仁さんとの出会いと“においの森”の会話

 

この書籍の訳者・門脇仁さんは、

私が長年お世話になっている言葉のプロであり、

自然観察の達人です。

 

先日も当社へお越しいただき、

森と人間の関係性について、

言葉を超えた“感性の対話”を交わしました。

 

「においの正体は、記憶と結びついている」

彼がそう語ったとき、私は改めて林業が“文化”で

あることを再認識したのです。

 

 

 

彩ちゃんのひとこと

 

「この本、森を五感で感じたい人にピッタリ!

ページから香りが立ちのぼるようで、

彩も鼻がくすぐられました♪」

 

 

 

香りを知れば、森ともっと深くつながれる

 

『香りの起源を求めて』は、単なる植物図鑑でも、

 

香水の歴史書でもありません。

 

 

それは森に息づく「香り」という無形の文化を

 

通して、人間と自然の関係を照らす一冊です。

 

 

林業に携わる方、森を愛するすべての方にこそ

 

読んでいただきたい──。

 

 

香りを感じながら読むこの本が、

 

あなたの「森との距離」を変えるかもしれません。

 

 

 

note更新情報(2025/10/29更新)

 

彩ちゃんの安全物語 第9話「声より先に、合図で伝える」

“声”だけに頼らない──

安全な作業のための「合図」の重要性を、

彩ちゃんが実体験をもとに語ります。

noteで読む

 

 

 

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