2025年9月22日
林業の魅力シリーズ第321弾
3D地形×伐採シミュレーション──
地形データから伐倒方向を設計する未来の林業
木をどちらの方向に倒すべきか──
これは林業の現場で常に判断が求められる重要な課題です。
木の重心、周囲の木や岩、斜面の角度…
そうした複雑な要素を一瞬で見極める力は
「経験」によって培われてきました。
ですが、その経験の“再現性”をどう高めるか?
今、林業の現場では【3D地形データ+伐倒シミュレーション】
という技術革新が進行しています。
地形を「目で見る」から「設計する」時代へ
近年、ドローンやLiDAR(レーザー測量)技術を用いて、
森の地形や立木を正確に点群データとして取得することが
可能になりました。
このデータをもとに3Dモデルを構築し、
ソフトウェア上で伐倒方向や巻き込みリスク、
障害物との距離などをシミュレーション的に
可視化できるようになっています。
これはまさに、“木が倒れる未来”を設計する技術なのです。
現場の判断を助ける新しいツール
伐倒事故の多くは「予想と違う方向に倒れた」ことが原因です。
この技術を使えば、以下のような支援が可能になります:
倒れる方向の傾斜や重心移動の予測
根返りや引っかかりの可能性を事前に検知
チームでの情報共有(安全帯の配置や退避ラインの設定)
これにより、経験が浅い作業者でもベテラン並みの判断が
できるようになっていきます。
彩ちゃん、技術にびっくり!
彩ちゃん:「伐倒って、もっと感覚の世界かと思ってました!」
校長:「確かにそうだった。
でも、感覚を“見える化”することも技術なんだよ」
研修所では、伐倒方向をタブレット上で設計し、
実際の現場と照らし合わせる体験も導入されはじめています。
3D地形×伐倒設計は、林業における
「安全」と「技術革新」の交差点に立つ最前線です。
木の未来を想像し、データで支える──
それは人と自然の対話を、
もう一歩先へ進めるための道具でもあります。
note更新のお知らせ
彩ちゃんの安全物語 第3話|目立ての奥深さに目覚める
チェーンソーの刃先に隠れた“危険と美しさ”──
彩ちゃんがその意味を学ぶ1話です。
https://note.com/forestcollege/n/nacd700e3bf2e
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