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林業の魅力シリーズ

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人の息を合わせて森を切る──両手挽鋸(りょうてびきのこ)が教えてくれる山仕事の原点

2025年11月12日

林業の魅力シリーズ第353弾

 

人の息を合わせて森を切る──

 

両手挽鋸(りょうてびきのこ)が

 

教えてくれる山仕事の原点

 

 

 

今週の彩ちゃんは、森林資料館の展示室で

 

古い白黒写真を見ていました。

 

 

二人の木こりが、

 

大木に向かって長い鋸を引いている姿。

 

「これって、どうやって切ってたんだろう?」と

 

興味津々。

 

 

案内の方に教わると、

 

その道具の名は 両手挽鋸(りょうてびきのこ)。

 

 

チェーンソーも重機もなかった時代、

 

木を倒すのに必要なのは、

 

筋力よりも“息の合ったチームワーク”でした。

 

 

 

 

 

 

二人で一本を引く──両手挽鋸とは

 

両手挽鋸は、戦前から昭和のはじめごろまで

使われた伐採用の鋸です。

 

長い刃の両端に取っ手がつき、

二人が向かい合って交互に引きます。

 

押すときは力を抜き、引くときに木を削る。

この「引き切り」の感覚がうまく合わないと、

刃が波打ってまっすぐ切れません。

 

彩ちゃんも体験コーナーで挑戦!

「わあ、重いけど、スーッと木の香りが広がる感じがする!」

 

昔の木こりたちは、

この“手の感覚”を頼りに木を倒していたのです。

 

 

 

2. 呼吸を合わせる仕事──チームワークの原点

 

両手挽鋸は、二人でなければ使えない道具です。

「相手の呼吸を読む」ことが、正確に切るための鍵。

お互いを信頼していなければ、うまく動かせません。

 

エンジンチェーンソーが普及する前、

この鋸こそが“山の主役”でした。

 

一人では倒せない大木も、仲間と息を合わせれば動く。

その姿には、

まさに 林業のチームワークの精神 が息づいています。

 

 

 

3. 現代につながる「感覚の道具」

 

今ではチェーンソーに取って代わられましたが、

両手挽鋸は今も一部の職人に愛されています。

 

製材所や伝統建築の現場では、

「刃の音を聴けば木の心がわかる」と言う人も。

 

その“感覚を研ぎ澄ます技”は、

現代のチェーンソー整備や安全教育にも通じています。

 

彩ちゃんはその言葉を聞いて、静かに頷きました。

「森の道具って、機械になっても“心”は同じなんですね。」

 

 

 

彩ちゃんは、展示の鋸を見つめながら言いました。

 

「この道具って、人と森が呼吸を合わせてた

時代の象徴みたいですね。」

 

 

便利になった現代では、ボタン一つで木が倒せます。

 

でも、人の手と息で森を動かしていた時代があった。

 

 

その姿にこそ、林業の“原点の美しさ”が

 

あるのではないでしょうか。

 

 

両手挽鋸――それは、

 

森と人と仲間を結ぶ「呼吸の道具」です。

 

 

 

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