2025年5月11日
ログハウス講座「仕上げ工事編」第2回。
前回は基礎の種類について学びましたが、
今回はその基礎を活かすための"断熱"と"防湿"の話です。
ログハウスの快適性を左右するのは、
見えない部分に隠れた工夫。
特に基礎断熱と防湿対策は、
快適な室内環境と建物の長寿命化に欠かせません。
▶ 基礎断熱は「底層断熱」と「底面断熱」
ログハウスでは、主に以下の2つの断熱方式が採用されます。
1. 底層断熱
床下に断熱材を敷き詰め、室内からの熱を逃がさない方式。
長所
床下に配管スペースが取れる
コストが比較的安い
短所
床下が外気にさらされるため、冬場の冷え込みに注意が必要
2. 底面断熱
基礎の立ち上がりや土間全体を断熱材で覆う方式。
長所
床下空間も室内と同等の温熱環境に
配管の凍結リスクが減少
シロアリ侵入も抑制しやすい
短所
材料費・施工費がやや高め
高断熱の住宅には「底面断熱」が増えており、
ログハウスでもこの方式が主流になりつつあります。
▶ 防濕対策は、ログハウスではかなり重要
木材は湿気に弱く、長時間水分を含んだ状態が続くと
腐朽菌やシロアリ被害の原因になります。
そこで重要なのが防湿対策です。
【ポイント】
コンクリート土間の地面に防濕シートを展幕
上部からの水滴を防ぐための際裏施工
水排けを考慮したエントランスの設計
ログハウスにおいて湿気対策は寿命を延ばす最も重要な工程のひとつ。
断熱・防湿は見えない部分ですが、
快適な住環境と長寿命のログハウスを作るための根幹です。
特に湿気の多い日本の気候では、
基礎の下の通気や湿気遮断は建物全体の
パフォーマンスに直結します。
次回は「床組みの構造と断熱」について
詳しく紹介していきます。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
ぜひご覧ください。