2025年10月9日
林業の魅力シリーズ第332弾
「林業とコーヒー──森の中のひと息」
作業が一段落したとき、
森の中で飲む一杯のコーヒーほど
贅沢なものはありません。
湯気の向こうに木立が揺れる──その瞬間、
森と自分がふっとひとつになるような感覚。
林業という仕事は、体を使いながらも
“間”を大切にする仕事。
今日はそんな「森の中のコーヒー時間」をテーマに、
彩ちゃんとの会話を交えながら語っていきます。
森の中の“休む技術”
林業は、体力勝負の仕事です。
チェンソーの音、風の音、汗、そして集中。
だからこそ、上手に休むことも仕事のうち。
休憩時間に取る一杯のコーヒーには、
疲労を癒やすだけでなく、心を整える力があります。
彩ちゃん:「校長先生、森で飲むコーヒーって、
なんでこんなにおいしいんですか?」
校長先生:「不思議だよな。
お湯の温度も豆も家と同じなのに、森だと五感が全部開く。
味覚も風景の一部になるんだよ。」
香りが森と混ざる
森のコーヒータイムには、特別な演出があります。
木の葉の匂い、湿った土の匂い、遠くで鳴く鳥の声。
それらがすべて“香りの一部”になり、
カップから立ちのぼる蒸気と溶け合う。
これを味わったら、もう都会のカフェでは物足りない。
彩ちゃん:「私、森の中で飲むコーヒーの匂いが一番好きかも。
空気ごと飲んでるみたいで。」
校長先生:「それが“森の焙煎”ってやつだな。」
仲間と飲む一杯
一人で飲むコーヒーは静けさをくれる。
仲間と飲むコーヒーは笑顔をくれる。
林業の現場では、言葉少なでもマグカップを交わす時間が、
人と人をつなげてくれる。
彩ちゃん:「校長先生、コーヒーって、
人の距離を近づけますね。」
校長先生:「ああ、木と木の間に“風”が通るように、
人の間にも“間”ができるんだ。」
林業の仕事は“動”と“静”の繰り返し。
コーヒーを飲むひとときは、
その“静”を味わうための儀式です。
森で飲む一杯には、癒やしと誇りと、
次の一歩へ進む力が詰まっています。
次に森で休むときは、
どうぞお湯を沸かして一杯のコーヒーを。
きっと、
木々のざわめきが少し優しく聞こえるはずです。
note連載「彩ちゃんの安全物語」更新情報
2025年10月8日、第6話を公開しました!
『森を守るって、どういうこと?』
倒木処理の現場で、
彩ちゃんが感じた“森を守る”という言葉の重み。
伐ることは壊すことではなく、
「次の命を育てる準備」だと知る物語です。
森と人の関係、その本質に一歩近づく回になっています。
※フォレストカレッジホームページ
※X
※アメブロ