

2025年9月4日
林業の魅力シリーズ第310弾
木と、目が合った気がした日-
森が語りかけてくる瞬間
「先生……なんか今日、木と目が合った気がします」
研修からの帰り道、ぽつりとつぶやいた彩ちゃん。
笑って流すかと思いきや、
その言葉に私は少し立ち止まりました。
木の“目”を読むといえば、
木目やねじれを見極める林業の知恵。
けれど、今日の彩ちゃんが感じたのは、
もっと不思議で、
もっと静かな“もう一つの木の目”の話です。
木が見ている…そんな気がすることはありませんか?
森を歩いていると、ふとした瞬間に
「見られている気配」を感じることがあります。
それは風が吹く音だったり、葉が揺れる振動だったり、
あるいは何十年もそこに立ち続けている木の
「存在感」そのものかもしれません。
木にも“目”があるんじゃないか?
そう思うのは、きっと私たち人間が、
無意識に木と心を通わせようとしているからです。
木の目を“読む”力と“感じる”力
林業では「木のねじれを見る目」が重要だと言われます。
それは技術であり、経験であり、命を守る力でもあります。
でも、それだけでは足りないと感じることもある。
木の“生き様”を感じ取るような、もう一つのまなざし・・
それが、今日の彩ちゃんが教えてくれたことでした。
彩ちゃんのひとこと:
「あの木、何も言ってないのに“ようこそ”って
言われたような気がして…森って、すごいです」
木の目を見るとは、
木を使うために観察する「技術的な目」と、
木の存在を受け止める「感性的な目」の、
両方があってこそ。
森は、ただ黙ってそこにあるだけじゃない。
ちゃんと、こちらを見てくれているかもしれません。
次に森を歩くときは、
どうかほんの少し、
“木の目”と目を合わせるつもりで歩いてみてください。
きっと、何かが心の中で動きます。
昨日より、noteで「彩ちゃんの安全物語」が連載開始されました!
第1話は《チェーンソー・キックバック編》。
森の“危険”をどう見抜くか。
物語で学べる安全のヒントをお届けしています。
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