2025年10月16日
林業の魅力シリーズ第336弾
森の時間と古木の物語──
スギやケヤキに刻まれた百年の知恵と対話
山に入ると、たまに出会うことがあります。
太く、静かに立ち尽くす一本の巨木。
幹の肌は時に苔むし、枝は空を貫くように広がっている。
そんな古木たちは、100年、200年という歳月を、
この森の中で生きてきました。
今日のテーマは「森の時間」。
巨木の語り部としての存在と、そこに込められた
“林業の知恵”を彩ちゃんと一緒に掘り下げます。
古木──たとえば樹齢200年のスギ、ケヤキ、クスノキ。
それらは、どんな災害や気候の変化も乗り越え、
そこに立ち続けてきました。
その根元に立てば、
風の音すら変わって聞こえるような気がします。
彩ちゃんも森の中で古木を見つけるたび、
じっと見上げては、
「この木、何を見てきたんだろう？」
と問いかけます。
林業は、ただ木を伐る仕事ではありません。
森の世代交代──
いわば「古木」と「若木」の対話を支える仕事です。
古木が森に与えているもの：
・大きな陰と湿潤な土壌
・動物たちのすみか
・若木に“育つ時間”を与える空間
若い木が古木から学ぶものは多く、
それを“見届ける”のもまた林業者の使命です。
森林に関わるということは、
「今の私たち」ではなく「未来の誰か」のために
木を育てること。
古木の語る静かな時間に耳を傾け、
次の100年へとバトンを渡していく。
彩ちゃんは、古木の根元で方位磁針を
手にしながらつぶやきました。
「この森の未来が、ちゃんと育っていきますように」
古木とは、森が長い年月をかけて育んできた
“知恵の結晶”ともいえます。
林業とは、その知恵を活かし、
次代に森を繋ぐ「時間の仕事」。
皆さんも山に入ったときは、
ぜひ一本の古木の前で立ち止まり、
そっと耳をすませてみてください。
森の“時間の声”が聞こえるかもしれません。
note連載「彩ちゃんの安全物語」更新情報
2025年10月15日更新
彩ちゃんの安全物語 第7話「伐倒方向、ほんとうに合ってる？」
第7話のテーマは、伐倒方向。
山で木を伐るときに一番大切なのは、
「どこに倒すか」を的確に判断すること。
間違った方向に倒せば、
命に関わる事故にもつながりかねません。
今回は、彩ちゃんがその判断ミスの危険性を体験し、
どうやって修正したかを描いています。
学べるポイント：
地形と風の読み方
重心の取り方とクセ木の見分け方
実際の現場で起こる「想定外」への対応
「なんとなく」「たぶん大丈夫」では
通用しないのが伐倒の現場。
彩ちゃんの成長と失敗を通して、
伐倒方向の重要性を一緒に学びましょう！
森の安全は、小さな気づきの積み重ねから。
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