2025年10月7日
林業の魅力シリーズ第330弾
栗(クリ)──暮らしを支えてきた実りの木
秋の山道を歩いていると、
落ち葉の中にゴロリと転がる茶色い実──
そう、栗です。
「栗ごはん」「焼き栗」といった
季節の味覚としてなじみ深いですが、
実は栗の木は木材としても防災林としても
重要な存在でした。
今日はそんな栗の多面的な魅力を、
少し掘り下げてみたいと思います。
食文化を彩る実り
彩ちゃん:「校長先生、栗ってお菓子だけじゃなくて、
ご飯にも使われるんですね!」
校長先生:「そうだね。栗ごはんや栗きんとんは
日本の秋を代表する料理だし、
戦国時代には兵糧にもなったんだよ」
彩ちゃん:「えっ、武士も栗を食べてたんですか?
なんだか元気が出そう!」
木材としてのクリ
栗の木は堅くて水に強く、腐りにくいのが特徴です。
古民家の土台や柱、橋脚、家具に広く使われ、
木桶や樽にも活躍しました。
彩ちゃん:「じゃあ、栗の木で作った家は丈夫そうですね!」
校長先生:「その通り。木材としての“クリ”は、
まさに“暮らし”を支える存在だったんだ」
里山と防災の木
栗の根は地面をしっかりとつかみ、
斜面の土砂崩れを防ぐ力があります。
里山に栗林があることで、
実りと防災の両方がまかなわれていたのです。
彩ちゃん:「甘い実だけじゃなくて、
森を守る力まであるんですね。すごいなぁ!」
林業と栗のこれから
近年は「クリタマバチ」という害虫が
問題になっていますが、
和栗スイーツや地元ブランドの栗加工品が
新しい需要を生んでいます。
栗林を守りながら、未来に活かしていくことが
林業にも地域にも大切な課題です。
彩ちゃん:「秋に食べる栗スイーツって、
本当に幸せな気分になりますよね」
校長先生:「その“幸せ”を支えるのも、
林業の大事な役割なんだよ」
栗は食と木材の二刀流で日本人の暮らしを
支えてきました。
秋に口にする一粒の栗の奥には、
里山の営みや木材利用の知恵が重なっています。
次に栗を味わうとき、
ちょっとだけ「林業の目」で栗林を見てみると、
もっと深い味わいを感じられるかもしれません。
note連載「彩ちゃんの安全物語」更新情報
2025年10月1日、第5話を公開しました!
『私のチェーンソーが、木を切った──』
自分で整備したチェーンソーで伐倒に挑戦する彩ちゃん。
これまでの学びがつながる“成長の瞬間”をぜひご覧ください。
https://note.com/forestcollege/n/n09fdec217e61
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