2025年11月13日
林業の魅力シリーズ第354弾
焚き火の前で気づく森の時間──
薪が語るゆっくりな暮らし
今日は作業のあと、
彩ちゃんが仲間と焚き火を囲んでいました。
赤くゆらゆら揺れる炎をじっと見つめながら、
「薪って、
ここに来るまで長い旅をしてきたんですよね」
とつぶやきます。
チェーンソーの音も止まり、
森の空気が落ち着きを取り戻す夕暮れ。
焚き火の前に座ると、不思議と気持ちがゆるんで、
森とゆっくり話しているような時間が流れていきます。
今日はそんな“焚き火が運んでくれる気づき”を
テーマにしていきます。
1. 炎を見つめていると、時間がゆっくりになる
焚き火の炎って、
見ているだけで心が落ち着きますよね。
彩ちゃんは火ばさみを持ちながら、
パチパチとはぜる音に耳を澄ませていました。
「焚き火って、なんでずっと見ていられるんでしょう…？」
それは、炎の揺れが人の呼吸と同じリズムで
動いているからだといわれています。
森と人の“呼吸”が、焚き火を通してひとつになるような感覚。
忙しい日常を少し忘れさせてくれます。
2. 薪になるまでの“森の時間”を思う
焚き火で燃えている薪は、
ついさっき山から持ってきた木ではありません。
最低でも1年、できれば2〜3年は自然に乾燥させます。
晴れの日も雨の日も、
風に吹かれながらゆっくり水分を抜いていきます。
彩ちゃんは薪を手に取り、
木目をじっと眺めてつぶやきました。
「この一本が燃えるまでに、
こんなに長い時間が必要なんですね。」
林業の仕事は、
どうしても“今日すぐ結果が出る仕事”ではありません。
でも、こうした森の時間の流れに付き合いながら
進んでいくからこそ、心が整っていく瞬間が
あるのだと気づかせてくれます。
3. 焚き火は、人と人をゆるめてくれる
炎の前に座ると、なぜか会話がやさしくなる。
焚き火には、そんな不思議な力があります。
彩ちゃんも仲間と笑いながら、
「焚き火って、
話さなくてもいい安心感がありますね」と嬉しそう。
人は火を見ると、自然と姿勢を正し、
相手の話を静かに聞けるようになるといいます。
森がくれた薪の火は、
人と人の距離まで温めてくれるのです。
焚き火の前にいると、
時間が少しだけゆっくり流れます。
薪が燃える音、炎の揺れ、森の静けさ。
その全部が、私たちに
「大事なものは急がなくていいよ」と
語りかけてくれるようです。
彩ちゃんは、消えかけた火を眺めながらひと言。
「森の時間って、本当に心を整えてくれますね。」
炎が照らすその横顔は、とても穏やかでした。
今日も森に、ありがとう。
note最新記事のご案内
彩ちゃんの安全物語 第11話が公開されました。
彩ちゃん、指示のむずかしさを知る
― 「初めての現場リーダー任命!?」 ―
※フォレストカレッジホームページ
※Ｘ
※アメブロ