

2025年9月10日
林業の魅力シリーズ第314弾
竹かごと林業-山の道具が語る知恵と美しさ
山の仕事道具と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
チェーンソー、ヘルメット、安全靴-
そんな現代的な装備のずっと前、
林業の現場では「竹で編まれたかご」が主役のひとつでした。
今日のテーマは、そんな竹かご。
その機能美と、
森と共にあった時代の暮らしに触れてみましょう。
1. 「背負いかご」は林業マンの必需品だった
竹かごは、単なる荷物運搬道具ではありませんでした。
伐った枝や薪を背負う「背負いかご」
植林のための苗木を入れる「山かご」
山菜採りや炭材運び用のコンパクトなかご
それぞれに形や編み方が違い、使う地域や職人の癖によっても
風合いが変わっていたそうです。
2. 編み目に込められた知恵と工夫
竹は軽くて丈夫。湿気にも強く、
山の中で使うにはぴったりの素材でした。
さらに、編み方にも工夫があります。
通気性を保ちながら強度を上げる「網代編み」
中身がこぼれないようにする「ござ目編み」
肩に負担をかけにくくする「背あて」の工夫
中には「お守りの模様を編み込む」ようなデザインもあり、
山に入る人の無事を祈る“祈りの道具”でもあったのです。
彩ちゃん、竹かごに出会う
研修の休憩時間、彩ちゃんが木陰で見つけたのは、
講師が背負ってきた竹かご。
チェーンソーの音が響く現場に、
どこか“やさしい風”が吹いたような感じがしました。
「これ、今でも使うんですか?」
「使うよ。軽くて丈夫だし、なにより“音がしない”。」
静かな山の時間を壊さない。そんな道具が今も生きている-
彩ちゃんの目に、かごの編み目がちょっとだけ輝いて見えました。
3. 現代の林業にもつながる価値
最近では、竹かごを使う林業者は少なくなってきました。
でも、その精神は形を変えて今も残っています。
背負い具やギアバッグの軽量化・静音化
森林セラピーなどで使われる自然素材の道具
ログビルダーの世界で注目される“手作り道具”の美しさ
さらには、民芸品やアートとしての再評価も進んでいます。
竹かごは、山の暮らしと一体になって生きてきた道具です。
ただの“荷物入れ”ではなく、
職人の技と山の知恵が詰まった工芸品でした。
私たちが現場で使う最新の装備にも、
“静かに、やさしく、山と寄り添う”という精神が
残っているのかもしれません。
この内容は「彩ちゃんの安全物語 第2話」として、
noteでもストーリー形式で公開中です。
講習の雰囲気や彩ちゃんの成長を、
より物語として楽しみたい方はぜひご覧ください
https://note.com/forestcollege/n/n285ae528476f
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