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2025年5月1日
木が笑う?木が泣く?-五感で感じる林業の世界
木曜日はフリートークの日。
林業や自然にまつわる身近な話題や言い伝え、不思議な話を紹介しています。
第225弾では、山師や木こり、木工職人たちが昔から使ってきた不思議な表現、
「木が笑う」「木が泣く」という言葉に注目します。
木が感情を持つ?と思われるかもしれませんが、
そこには五感を使って木と向き合ってきた人々の知恵が込められているのです。
木が“笑う”とは?
「木が笑う」とは、伐ったり製材したときに、スパッときれいに割れる木のことを指します。
木の繊維がまっすぐで狂いが少ない
乾燥が進んでいて素直な性質
加工時に刃物の通りが良く、音も心地よい
こうした木材は、「いい木」「扱いやすい木」として重宝され、
山師の間では「この木はよく笑うな」といった会話が交わされていました。
木が“泣く”とは?
一方、「木が泣く」とは、水分を多く含んだまま伐採された木や、乾燥が足りない木が、
加工中に軋んだり、湿った音を出すことを表します。
ノコギリが重くなる
ヒビ割れしやすい
加工後に曲がりやすい
まるで「うまく切れない」と訴えているような、
そんな感覚が「泣く」という言葉につながったのでしょう。
木が“怒る”?
さらに一部では、「木が怒る」という表現も使われていました。
ねじれが強く、思わぬ方向に跳ねる
玉切り中に急に裂けて、危険な反動を起こす
加工中にバキッと大きな音を立てる
これは、木が不快感をぶつけてくるような感覚です。
特に伐倒作業中の“怒った木”には、十分な注意が必要とされてきました。
五感で木と向き合うということ
これらの表現は、科学的な計測ではなく、人間の感覚に根ざした木材の評価方法です。
耳で音を聞く
手で重みと振動を感じる
鼻で香りを嗅ぎ、湿り気を知る
目で木目や繊維の流れを読む
山師や木工職人たちは、こうして木と対話しながら作業をしていたのです。
今の林業では、機械やセンサーが発達していますが、人間の“感じる力”こそが、
木と生きるうえでの原点だったのかもしれません。
木は、声を出さなくても私たちに何かを伝えています。
笑い、泣き、時に怒る木。
それは自然界の“命の気配”に敏感だった、かつての山の人々の感性の表れです。
木を見て、触って、聴いて、香って-
五感で木と向き合う林業の奥深さを、今こそ感じ直してみませんか?
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ