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2025年5月9日
『スイス林業と日本の森林』-
近自然森づくりから学ぶ持続可能な未来
金曜日は、林業や森林、自然に関する書籍を紹介する日です。
第228弾では、スイスの先進的な森林管理の手法を紹介しながら、
日本の森林との比較や応用の可能性を探る一冊、
浜田久美子著『スイス林業と日本の森林(近自然森づくり)』を
深掘りします。
森林を「収穫の場」から「共生の場」へと転換するヒントが詰まった、
時代に求められる書籍です。
スイス林業の特徴とは?
本書では、スイスの林業が単なる木材生産にとどまらず、
生態系との調和・多機能性・景観との共存を重視していることが
紹介されています。
伐っても植えない「間引き型施業」
多様な樹種構成を維持し、生物多様性を確保
国民の合意形成を経た森林政策の実践
このような近自然的なアプローチは、自然に任せつつ、
人の手で見守るスタイルです。
近自然森づくりとは?
「近自然森づくり(近自然的森林管理)」とは、
自然が本来持っている再生力や多様性を最大限に活かしながら、
人の手で最小限の介入を行う管理手法です。
自然の更新力を活かし、植林を抑制
病害虫への強さ、多様な生き物が暮らせる環境を確保
森林景観や保養地としての価値も同時に高める
この考え方は、防災・気候変動対策・教育的価値にもつながっています。
日本への応用可能性
浜田氏は、日本の森林管理にスイスの事例を応用するには、
いくつかの前提が必要だと説きます。
地域ごとの森林文化や地形、所有形態の違いへの理解
「伐って植える」発想から「見守り育てる」発想への転換
市民・行政・事業者が連携した森林計画づくり
特に、中山間地域での小規模林業や都市周辺林での
応用に大きな可能性があると本書は指摘しています。
『スイス林業と日本の森林』は、森林の持続可能性を
本気で考えるすべての人に向けた道しるべの一冊です。
木を生産するだけでなく、
「どう育て、どう守り、どう共に生きるか」という
森との関わり方が問われる今、
この本は日本の林業に新たな視点を与えてくれます。
森林を“守る”から“活かす”へ。
そのヒントは、アルプスの国にありました。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ