※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス
※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!
※動画でレクリエーションゲームをチェック!
2025年6月4日
林業の魅力シリーズ第245弾
釘を使わず、木をつなぐ-「指物」という日本の知恵
水曜日は、古来から伝わる伝統技術・道具・風習・習わしを
紹介する日です。
今回は、日本の木工技術の粋「指物(さしもの)」に
焦点を当てます。
釘も接着剤も使わず、木だけで木を組む。
それは日本人が培ってきた、
木に寄り添う技と心の結晶です。
指物とは?
指物とは、木と木を組み合わせて箱や棚などを作る日本の伝統技術です。
金具やネジを使わず、木材の切り込みと差し込み(ほぞとほぞ穴)だけで
構成される構造で、堅牢でありながら美しい仕上がりが特徴です。
主に使われる技術:
蟻組(ありぐみ)
包みほぞ
留め継ぎ
千切り留め(ちぎりどめ) など
林業とのつながり
指物に使用される木材は、反りにくく、加工しやすい柾目材が好まれます。
そのため、原木の段階での目利きや製材の精度がとても重要です。
スギ・ヒノキ・サクラ・キリ・カエデなどが主材
節のない部位、年輪の詰まった材が高評価
木の「クセ」を読む林業者と、「組む」職人が協働して品質を決める
用途と文化的価値
指物は、以下のような品々に使われてきました:
茶道具(棚、箱、香合)
書院造の調度(机、棚、引き出し)
寺社仏閣の扉や欄間の構造材
現代では高級家具やギャラリー展示品にも
「見せない構造が美しさになる」という価値観は、
日本建築や大工文化にも深く通じています。
精密で、哲学的な仕事
指物は「技術で魅せる美しさ」と「木の性質を読む眼」の融合です。
木が動く季節を見越した“遊び”の設計
木目の流れを合わせて一体感を出す技巧
組手そのものがデザインになる構成美
これは、ただの木工ではなく、木を尊重する精神性を伴った造形なのです。
「木を組む」ことの意味
指物は、「木をつなぐ技術」であり、「木と人をつなぐ文化」でもあります。
釘やボンドに頼らないからこそ、木の持つ力を最大限に活かせる。
それは、林業と木工の真の共創とも言えるでしょう。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ