コンテンツ本文へスキップ
プリローダーイメージ
スマートフォンサイトはこちら

埼玉県林業技術者研修

コンテンツタイトル下地
  • カテゴリー

  • アーカイブ

日本の伝統的な木材乾燥技術 – 木の命を活かす『葉枯らし乾燥』とは?

2025年2月12日

日本の伝統的な木材乾燥技術 –

木の命を活かす『葉枯らし乾燥』とは?

日本の木造建築や木工文化を支えてきたのは、
職人の技だけではありません。
木材をいかに適切に乾燥させるかによって、
その強度や耐久性が大きく左右されます。
現代では人工乾燥が主流ですが、
日本には昔ながらの「葉枯らし乾燥」と呼ばれる、
自然の力を利用した木材乾燥法が存在します。
本記事では、環境に優しく、木材の質を高める葉枯らし乾燥の
技術とそのメリットについて詳しく解説します。

1. 葉枯らし乾燥とは?

葉枯らし乾燥とは、伐採した木をすぐに玉切り(短く切ること)せず、

枝葉を付けたまま一定期間放置し、木の水分をゆっくりと抜いていく

方法です。

特徴とメリット

木材の狂いが少なくなる – 急激な乾燥を避けることで、

木材のねじれや割れを防ぐ。


自然な油分を保持 – 木の中の樹脂成分が保たれ、

耐久性や防虫性が向上。


木材の強度が増す – ゆっくり乾燥させることで、

木材の強度が均一になり、建築材料としての質が向上。


環境に優しい – 人工乾燥に必要なエネルギーを使わないため、

CO₂排出量を削減できる。


2. 葉枯らし乾燥の工程

葉枯らし乾燥の基本的な工程は以下の通りです。

🔹 伐採(冬季が理想) – 木が休眠状態に入る冬に伐採することで、

余分な水分が少なくなり、乾燥しやすくなる。


🔹 枝葉を付けたまま放置 – 伐採後、そのまま山に1〜3か月放置し、

葉の蒸散作用によって水分を徐々に排出させる。


🔹 玉切り・皮むき – 乾燥が進んだ後、枝葉を取り除き、

木の皮を剥ぐことでさらに乾燥を促進。


🔹 天日乾燥 – 最後に屋外でさらに自然乾燥させ、

含水率を最適な状態にする。


3. 葉枯らし乾燥と人工乾燥の違い

項目 葉枯らし乾燥 人工乾燥
乾燥方法 自然の蒸散作用を利用 高温の乾燥機で強制的に水分を飛ばす
乾燥期間 2〜6か月 1週間〜1か月
木材の質 自然な色・艶が残り、強度が高い 急激な乾燥で割れやすい場合がある
コスト 低コスト(自然乾燥) 電気・ガスを使用しコストが高い
環境負荷 低い(エネルギー不要) 高い(CO₂排出あり)

近年では、SDGsや環境保護の観点から、

エネルギー消費の少ない葉枯らし乾燥が再評価されています。


4. 葉枯らし乾燥の活用例

葉枯らし乾燥で処理された木材は、

主に次のような用途で利用されています。

🏡 伝統建築 – 神社仏閣や日本家屋の柱や梁に使用。


🛠 木工製品 – 伝統工芸品や家具などの材料に適している。


🌳 環境保全型林業 – 森林の持続可能な利用を目指す取り組みとして

導入されている。


林業の魅力シリーズ第171弾では、

日本の伝統的な木材乾燥技術「葉枯らし乾燥」に

ついて解説しました。

この技術は、単に木材を乾燥させる手法ではなく、

木の命を最大限に活かす知恵です。

環境に配慮しながら、質の高い木材を生み出すこの技術が、

未来の林業においても重要な役割を

果たしていくことでしょう。

※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!

 ぜひご覧ください。

 

※職業人講和アーカイブ

 

※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス

 

※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ

 

※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ

 

※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!


https://youtu.be/IUJ07_DTw3A

 

※動画でレクリエーションゲームをチェック!

コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る
コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る