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2025年5月28日
林業の魅力シリーズ第241弾
「ほだ木(榾木)文化」-
森の恵みを育てる、日本のきのこ栽培の知恵
ほだ木(榾木)とは、シイタケなどのきのこ類を
育てるために使われる原木のことです。
日本では古くから、林業と並行して山村での副業として
「原木しいたけ栽培」が盛んに行われてきました。
この文化は単なる栽培技術ではなく、木と菌と人間の三者が
支え合う持続可能な循環モデルでもあります。
ほだ木の素材:どんな木が使われるのか?
主にコナラ・クヌギといった広葉樹(雑木林の樹種)
木が若すぎても古すぎてもダメ、伐採後の水分量・皮の厚さが重要
伐採の適期は晩秋〜初冬(葉を落とした直後)が基本とされる
このように、木を育て、伐り、乾かし、植菌し、収穫するまでには、
自然のサイクルと深く連動した知恵があります。
植菌と伏せ込み:菌と木の共生
穴を開けて「種駒(菌の種)」を打ち込む(打ち込み作業)
湿度・温度・日照・通風のバランスを見て「伏せ込み」
自然の中でゆっくり菌糸が木の中を広がっていく
この間、2〜3年かけてゆっくりと初発生を待つ。
まさに、「急がない林業」「山の呼吸に合わせる農」の典型です。
山村文化の一部としてのほだ木
春になると山奥の伏せ込み場に行き、
「きのこが出ているか」を見に行くのが風物詩
雑木林の維持管理がそのままほだ木の供給源になるため、
里山の循環保全に貢献
子どもたちにも人気の「原木しいたけ体験」は、
菌と木と人の関係性を学ぶ実践教育
林業の副業から、教育・観光へ
高齢化・人手不足の中、原木しいたけは比較的省力で続けられる林産副業
森林体験イベントや林業研修でも、「植菌体験」や「きのこ狩り」が人気
さらに、「林業×6次産業化(乾燥・加工・販売)」のモデルにもなる
木が命を育み、菌が森を育てる
ほだ木文化は、木を伐るだけでなく、
「伐った後に命をつなぐ」林業のもう一つのかたちです。
森の恵みをいただきながら、自然の時間と共に生きる。
それは、木と菌の静かな対話に寄り添う、
日本人ならではの伝統かもしれません。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ