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埼玉県林業技術者研修

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曲げ物に学ぶ、木と寄り添う知恵-日本の伝統に息づく林業のかたち

2025年5月21日

 

 

林業の魅力シリーズ第236弾

 

曲げて、寄り添う-「曲げ物」が語る木と人のやさしい関係

 

 

水曜日は、古来より受け継がれてきた伝統技術や道具、風習を紹介する日です。

 

今回取り上げるのは、「削って、曲げて、留める」という

 

繊細な技術で作られる曲げ物(まげもの)。

 

木の性質を熟知した職人によって生み出されるこの技術には、

 

日本人の「木との寄り添い方」が詰まっています。

 

 

 

 

 

 

曲げ物とは何か?

 

曲げ物とは、薄く削った木の板を湯や蒸気で加熱し、

曲げて形を整える技術です。

 

丸太から製材された柾目板を活かして、

主に以下のような日用品が作られてきました。

 

飯びつ

弁当箱(曲げわっぱ)

そばせいろ

味噌桶・漬物樽

小物入れ・工芸品

 

この技術は、無駄なく木を使い、自然素材で暮らしを支える

“日本的ものづくり”の象徴でもあります。

 

 

 

どうやって作るのか?

 

木を薄く挽いた柾目の板を準備

湯につける or 蒸すことで柔らかくする

型に巻きつけて円形や楕円形に曲げる

継ぎ目を桜皮(樺)で縫い止める

底板をはめ、木釘またはくさびで固定して完成

 

重要なのは、木の「水分」「温度」「曲げの限界」を読む目。

まさに林業・製材・加工すべてを理解する職人の知恵が必要です。

 

 

 

林業との関係

 

使用材はスギ・ヒノキ・サワラなどの針葉樹

板は節なしの柾目(まさめ)材が理想で、

山での選木や製材段階から技術が関わる

かつては、地元の林業と木地師(きじし)や桶屋が

協働して木材を循環利用していた

 

 

 

地域ごとの伝統

 

秋田・大館の曲げわっぱ(秋田杉)

奈良・吉野の桶文化(吉野杉)

木曽谷の木地屋文化(ヒノキ・アスナロ)

高知の四万十ひのきの曲げ物

 

どの地域にも、その土地の木を活かし、

その暮らしに根ざした曲げ物文化があります。

 

 

 

曲げ物が持つ現代的価値

 

プラスチックごみ削減に貢献する脱プラ容器

木の香り・呼吸・感触を活かした木育教材として活用

職人技を体験できる木工・林業ワークショップにも最適

 

「まっすぐに切る」ではなく、「やさしく曲げる」技術。

そこには、自然に逆らわず、受け入れる“木の美学”が宿っています。

 

 

 

曲げることは、寄り添うこと

 

木は、急に曲げようとすると折れます。

 

でも、じっくり熱を加えて、呼吸を合わせれば、

 

きれいに曲がってくれる。

 

 

曲げ物には、人と木の付き合い方の原型が見えてきます。

 

力づくではなく、理解と工夫で形にしていく

 

それが、森と生きる者の心得なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!

 ぜひご覧ください。

 

※職業人講和アーカイブ

 

※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス

 

※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ

 

※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ

 

※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!


https://youtu.be/IUJ07_DTw3A

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