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埼玉県林業技術者研修

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千利休が教えてくれる自然素材の活かし方-茶室と木の美学

2025年5月27日

 

 

林業の魅力シリーズ第240弾

 

千利休-自然素材と向き合った「わび」の建築美学

 

 

 

火曜日は、林業や自然、環境に貢献した人物を取り上げる日です。

 

本日は、林業者ではなく日本の「自然素材の思想」を極めた人物、

 

千利休(1522–1591)を深掘りします。

 

 

彼は、安土桃山時代の茶人にして、わび茶の完成者。

 

茶道という枠にとどまらず、日本の木造建築・工芸・空間美学に

 

大きな影響を与えた存在です。

 

 

 

 

 

 

千利休が追い求めた「わび・さび」

 

利休が大成したわび茶は、華美な唐物(中国製)や金銀装飾を排し、

“何もない”空間に宿る精神性を重視するものでした。

 

そこにあるのは、

自然のままの木材

素焼きの土器

風雪に耐えた竹

使い込まれた炉の灰色の壁

 

つまり、自然素材そのものが持つ美しさへの深い信頼です。

 

 

 

利休と林業的視点:素材の「生かし方」

 

利休が使った茶室や茶道具には、以下のような素材が選ばれました:

 

素材 用途 特徴
杉・檜 茶室の柱や天井、建具 節や曲がりを生かした“ありのままの形”
茶杓・花入れ・天井材 割ったまま、焼いたままの質感
壁塗り・茶碗・水指 粗さと素朴さを活かす“侘び”の象徴
藁や樹皮 屋根材、下地 土着的な素材として自然とのつながりを演出

 

ここには、素材の一生に寄り添う林業者の感性と重なる思想があります。

 

 

 

茶室「待庵」に見る“最小の建築”

 

千利休が設計したとされる国宝・待庵(たいあん)は、わずか二畳の茶室。

 

しかしその中には、

木材の肌を隠さない「化粧しない建築」

光と影が刻一刻と変化する「自然光の演出」

竹一本に宿る「思想の凝縮」

が込められており、“間”の感性と“素材の呼吸”を共に味わう空間です。

 

 

 

森の恵みと精神文化の融合

 

千利休が行ったのは、

「自然素材を削ることなく、思想を削り込んでいく」という逆転の美学でした。

 

林業もまた、

無駄に伐らず

伐った木を活かしきり

生きていた記憶を製品に宿す

という意味で、利休の「素材との対話」に通じています。

 

 

 

「削らない美」「語らない力」

 

千利休の茶道は、語らずして深く、飾らずして豊か。

 

その本質は、木や竹が語る“沈黙の美”を、

 

素材の持ち味ごと丁寧に受け止める姿勢にあります。

 

 

この美学は、現代の林業や木造建築にこそ、

 

改めて根づかせるべき“日本の知恵”ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!

 ぜひご覧ください。

 

※職業人講和アーカイブ

 

※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス

 

※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ

 

※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ

 

※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!


https://youtu.be/IUJ07_DTw3A

 

※動画でレクリエーションゲームをチェック!

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