※杉の特性を存分生かしたタイニーログハウス
※オンライン説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※現地説明会(YouTubeライブ)アーカイブ
※動画で昨年の埼玉県林業技術者育成研修の様子をチェック!
※動画でレクリエーションゲームをチェック!
2025年4月14日
木材の未来を守る-ブロックチェーンが支える林業の透明性
月曜日は未来の林業や建築、森林・自然・地球・人間に
関わる技術革新を取り上げる日です。
第212弾では、木材の「出どころ」が問われる時代に
ふさわしい技術、トレーサビリティ×ブロックチェーンに
ついて深掘りします。
「この木はどこから来たのか?」「誰がどのように伐ったのか?」
持続可能な森林管理を実現するには、木材の流通履歴を
誰もが確認できる仕組みが欠かせません。
その鍵を握るのが、ブロックチェーンです。
トレーサビリティとは?
「トレーサビリティ(traceability)」とは、製品の原料や製造履歴を
たどれる仕組みのこと。
林業においては、以下のような情報を記録・管理することを意味します。
伐採地(山林所在地、地番)
樹種、伐採年月日、伐採者
搬出経路、加工業者、流通ルート
最終製品の用途(建材、家具、紙など)
この情報が改ざん不可能な形で一元管理されると、
木材の価値と信頼性が飛躍的に高まります。
ブロックチェーンが林業にもたらすもの
ブロックチェーン技術は、情報の分散記録と改ざん耐性に優れています。
林業においては以下のような活用が期待されます。
合法伐採証明:伐採許可情報と照合し、違法伐採材を排除
スマート林業との連携:ドローン、GPS、センサーと連動して、
現場のデータを自動記録
国際認証制度との接続:FSCやPEFCといった認証制度と連動した情報管理
流通透明化:木材市場や建築業界へのトレーサビリティ情報の提供
日本と世界の先進事例
日本の実証実験:一部の森林組合や流通業者が、
QRコード付きで伐採情報を開示する取り組みを開始
フィンランド・スウェーデン:国レベルでの森林GISと
トレーサビリティ連携
アマゾン対策:南米では違法伐採の撲滅を目指し、
ブロックチェーン技術を導入
これらは、環境保全と経済活動を両立させる仕組みとして注目されています。
木材の価値が変わる未来
トレーサビリティとブロックチェーンの融合は、
単なる管理技術にとどまりません。
これにより
国産材のブランド化が加速
消費者の信頼獲得(誰がどう育てた木かを可視化)
カーボンフットプリントの正確な把握
教育・観光・地域振興との連携(デジタルスタンプラリー的活用)
など、林業の“価値創造”が多方面に広がっていきます。
木材が、情報とともに流通する時代へ。
ブロックチェーンという革新技術が、
森の未来に透明性と信頼をもたらしています。
今後、私たちが使う木材の一つひとつに「物語」が添えられ、
それを誰でも読める世界が実現するかもしれません。
それは、林業がもっと見える・選べる・語れる産業へと
進化するということ。
そして、次の世代に「誇れる森」を引き継ぐ第一歩でもあります。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ