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2025年6月6日
林業の魅力シリーズ第247弾
『スイス林業と日本の森林』-“近自然森づくり”という選択
書籍情報
書名:スイス林業と日本の森林-近自然森づくり
著者:浜田 久美子
出版社:築地書館
どんな本なのか?
この本は、著者・浜田久美子氏が実際に訪れた
スイスの森林現場での体験をもとに、
「近自然森づくり(近自然的森林施業)」の思想と実践を紹介し、
それを日本の森林管理にどう応用すべきかを問いかける一冊です。
“近自然森づくり”とは?
近自然森づくり(英語ではclose-to-nature forestry)は、
「自然の力を信じ、できるだけそれを妨げずに森を育てていく」という考え方。
その基本理念:
単一樹種の人工林ではなく、多様な種構成と層構造を活かした混交林
土壌・水・微生物など森の構成要素を長期的視野で保全
森の“治癒力”を信頼し、人間はあくまで補助者として関与する
浜田氏はこれを単なる理論としてではなく、
森林現場の実例・写真・インタビューを交えながらわかりやすく描いています。
スイスと日本の違いと共通点
スイス林業の特徴(本書より)
森林施業において極端な大規模伐採は行わない
伐った後の再造林ではなく、“常に森を森のまま維持する”管理が基本
林業者自身が地域の自然や水資源を守る“守人”としての誇りを持っている
日本への提案
人工林の更新や皆伐→再造林のサイクルから、“持続的施業”への転換
森林教育や林業者の意識改革が重要
市民との協働による森づくり(ボランティア、NPOなど)も可能性大
林業教育・研修にどう活かせるか
この本は、森林経営や施業方法を再考するうえで、
埼玉県林業技術者育成研修などの教育現場にも活かせる示唆が多くあります。
森を“伐る技術”から、“読む技術”へ
土壌と水を守るための“やらない施業”の知恵
森づくりの未来像を、技術×哲学で再設計する材料
森に聞き、森と生きる林業へ
本書を読むと、林業とは単なる「生産活動」ではなく、
自然と社会をつなぐ“文化”であり“信頼関係”の表現でもあることに気づかされます。
今こそ私たちは、「木を育てる」のではなく、
森の力に育てられているという視点で林業を見直す必要があるのではないでしょうか。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間のダイジェスト!
ぜひご覧ください。
※職業人講和アーカイブ