2025年6月1日
ログハウス講座 vol.45:窓まわりの断熱と通風計画
ログハウスの断熱性能を語る上で、
意外と見落とされがちなのが「窓まわり」。
開口部は、壁や屋根に比べて最も熱の出入りが激しい部分であり、
室内環境の快適さや省エネ性能を左右する要とも言えます。
窓まわりの断熱性能をどう高める?
▶ドラフトパッキング材の活用
窓枠まわりに断熱パッキン材(発泡ポリエチレンやグラスウール)を使うことで、
木と窓枠のすき間からの隙間風を防ぎ、熱のロスを軽減します。
▶性能の高いガラスを選ぶ
ペアガラス(二重ガラス)やトリプルガラスは、単板ガラスと比べて断熱効果が格段に高く、
特に日当たりのよい面に使用すると、冬場の太陽熱も取り入れつつ、
夜間や曇天時の熱損失を抑えることができます。
▶ログ材に直接取り付けた窓枠は要注意
木材は乾燥や湿気によって伸び縮みするため、
ログ材に直接固定された窓枠のまわりにはズレや隙間が生じやすくなります。
定期的な点検と、すき間を埋める補修などのメンテナンスが欠かせません。
通風計画で夏も快適に
ログハウスは木の調湿性能に優れた構造ですが、
窓の配置と開閉計画次第で、夏の快適さは大きく変わります。
▶履き出し窓 + 向かい窓
対角線上に窓を配置し、空気が通り抜ける通風動線をつくることで、
エアコンに頼らず自然の風で涼しさを確保。
▶ロフトトップ窓 + バンドスラット
上部に熱がこもりがちなログハウスでは、高所にロフト窓を設け、
下部の窓から入った空気を上部から排出するスタック効果が有効です。
まとめ:窓まわりこそ断熱と通風の要
ログハウスの快適性を高めるカギは、
外壁材だけでなく、窓の「性能」と「配置」にあります。
"熱を逃さず、風を通す"――そのためには、
断熱材とガラス性能、風の動きを設計に取り入れることが重要。
美しい景観を楽しむための窓が、
心地よい暮らしの一端を担ってくれることでしょう。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
ぜひご覧ください。